開発の背景
日本の上場企業が提出する有価証券報告書は、経営状態を把握するための財務データを網羅的に記載しています。しかし、金融庁EDINETを通じて閲覧できるものの、分析に活用するには技術的なハードルが存在します。JP GAAP、IFRS、US GAAPという3つの会計基準で科目名が異なるため、横断比較には名寄せ処理が不可欠です。また、EDINET APIのXBRLデータは構造が複雑であり、プログラムから扱うには専門知識が求められます。
Cabocia株式会社は、上場企業を含む法人向けにデータ分析基盤やAIエージェントの構築を手がけてきた経験を活かし、異なるデータソースの名寄せ処理や横断分析のためのデータ基盤を構築してきました。この経験から、「有報の財務データを構造化されたデータベースとして扱いたい」「AIから直接参照できるようにしたい」というニーズに応えるため、EDINET DBが開発されました。
EDINET DBの特長
1. 3会計基準を名寄せした財務データベース
EDINET DBは、JP GAAP(日本基準)・IFRS(国際基準)・US GAAP(米国基準)の3基準にまたがる財務科目を、24指標に統一的にマッピングしています。これにより、売上高・営業利益・ROEなどの主要指標を、会計基準の違いを意識せずに企業間比較が可能です。全3,848社×最大6年分(FY2020〜FY2025)のデータを収録しており、名寄せのマッピング定義はサイト上のドキュメントページ(/docs/metrics)で全て公開されています。


2. 算出ロジックを全公開した信用スコアとAI総合所見
収益性・安全性・効率性・成長性の4軸で定量評価する信用スコア(0〜100点、6段階)が全企業に付与されています。基準点50から、自己資本比率・営業利益率・キャッシュフローなどの指標で加減点する仕組みであり、算出ロジックの全項目はドキュメントページ(/docs/credit-scoring)で公開されています。さらに、有報テキストを含む定量・定性情報がAI(Gemini)によって統合分析され、企業ごとに総合所見が生成されます。これにより、数字だけでは読み取れない経営方針やリスク情報も踏まえた統合分析が提供されます。

3. 有報テキスト78万件のAPI提供
有価証券報告書に記載されたテキスト情報(事業の内容、経営方針、リスク情報、MD&Aなど)78万件が構造化されて提供されます。無料プランでも利用可能なAPIとして、有報テキストの網羅的な取得に対応しています。

4. REST API・MCP Server — AIから直接使える財務データ
EDINET DBは、REST API v1(11エンドポイント)で企業検索、財務データ、財務比率、分析スコア、ランキング、業種別集計などを取得可能です。また、MCP(Model Context Protocol)Serverにも対応しており、AIとの連携を2つの方法で提供します。ローカルMCP Serverは設定ファイルを追加するだけで利用でき、リモートMCP Server(β期間中に提供予定)では設定ファイルも不要です。Claude(Web版)やChatGPTからURLとAPIキーを登録するだけで、ブラウザ上のAIから直接データを参照できます。開発者でなくても、AIユーザーは自然言語で質問するだけで、構造化された財務データに基づく回答を得られます。

利用プラン
Webでの閲覧は登録不要で完全無料です。APIは3段階のプラン(Free、Pro、Business)が用意されています。β期間中(2026年2月〜3月中の正式リリースまで)に登録すると、Pro相当の機能(API 1,000件/日)を無料で利用可能です。正式リリース後も特別な優待が予定されています。
想定利用シーン
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個人投資家
3,848社の信用スコアをランキング形式で閲覧し、気になる企業のAI所見をワンクリックで確認できます。会計基準の違いを意識せずに同業他社を比較可能です。MCP連携を使えば、自然言語で質問するだけで、正確な財務データに基づく回答が得られます。 -
AIエンジニア・クオンツ開発者
REST APIやMCP Serverから構造化された財務データを直接取得し、独自の分析パイプラインに組み込めます。Pythonスクリプトからの一括取得にも対応しています。 -
法人(コンサルティング・金融)
Business APIから3,848社の財務データを一括取得し、社内の分析基盤に統合できます。有報テキストAPIと組み合わせれば、数字だけでは見えない経営方針やリスク情報もまとめて取得可能です。
既存サービスとの位置づけ
EDINET DBは有報データの構造化とAI分析に特化したサービスです。有報テキスト78万件を無料APIで提供し、名寄せロジックを全て公開している点はEDINET DB独自の特徴です。リモートMCPサーバーにより、エンジニアでなくてもブラウザ上のAIから直接データを利用できるようになります。

開発体制
Cabocia株式会社は、上場企業を含む法人向けにデータ分析基盤の構築やAIエージェントの導入を手がける企業です。同社のデータ名寄せ・構造化とAI活用基盤設計の経験が、EDINET DBの開発に適用されています。数字だけでなく、有報テキストのような定性データもAIが読み取れる形に構造化されている点が、その具体的な反映です。

今後の展開
2026年3月の正式リリースに向けて、β期間中のユーザーフィードバックをもとにデータ品質と機能の改善が進められます。「AIが読み取りやすく、探索しやすいデータ基盤」を設計思想の中心に置き、定量的な財務データに加え、有報テキストのような定性データをAIが統合的に扱えるようにすることがこのプラットフォームの核です。今後は対象データの拡充と、AIからのアクセス体験の改善が優先的に進められます。4〜5月の決算ラッシュ期には、AI分析の結果を活用した情報発信も予定されています。
サービス概要
| サービス概要 | 内容 |
|---|---|
| サービス名 | EDINET DB |
| URL | https://edinetdb.jp |
| 対象データ | 日本の全上場企業3,848社 |
| データソース | 金融庁 EDINET API(有価証券報告書) |
| 収録期間 | FY2020〜FY2025(最大6年) |
| API | REST API v1(11エンドポイント) + MCP Server |
| 料金 | Web閲覧無料 / API: Free(無料)/ Pro / Business(有料プランは正式リリース時に発表) |
| 対応会計基準 | JP GAAP / IFRS / US GAAP |
| β期間 | 2026年2月17日〜3月中(正式リリースまで) |
会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | Cabocia株式会社 |
| 代表取締役 | 小池 陸 |
| 所在地 | 東京都港区芝浦1丁目 |
| 事業内容 | AIエージェント基盤の開発・運用、データ分析基盤の構築 |
| URL | https://cabocia.jp |


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