SF Yield Vaultの主な特徴
「SF Yield Vault」は、ポータルサイト「Secured Finance Vaults」上で提供されており、預けるトークンごとに最適化されたVaultとStrategyを選択できます。主な特徴は以下の通りです。
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“入れておくだけ”のシンプルな金利プロダクト: ステーブルコインをVaultにデポジットすると、スマートコントラクト上のルールに基づき運用が自動実行されます。
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Vaultをオンチェーンの運用Vehicleとして実装: 伝統的金融における債券・ファンドの「運用の箱(Vehicle)」機能を、オンチェーン上に透明に実装しています。
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第1弾 Strategy「Secured Finance JPYC Lender」を同時公開: Ethereum上のJPYCをJPYC Vaultに預けると、Secured Financeレンディングプロトコルを通じて自動的に貸し出しを行い、金利収益を獲得します。オーダーブック操作は不要です。
現在、JPYC VaultはEthereumメインネット上で提供されています。JPYCをデポジットすると、Vault持分トークンであるyvJPYCを受け取ることができ、これを他のDeFiで活用することも可能です。
Secured Finance Vaultsの詳細はこちらをご覧ください。
機関投資家が注目する「Onchain Vault」の重要性
オンチェーン上での運用は、複数のプロトコルや戦略、チェーンにまたがることが多く、実務的な運用負荷が高いという課題がありました。しかし、オンチェーンはルールベースで自動実行が可能であり、資産配分、取引、手数料が検証可能という特性を持ちます。
最新のデジタルアセット運用者らの分析によると、機関投資家資金のオンチェーン化が進むにつれて、複雑なオンチェーン運用を自動化し、リスク管理をプログラム化した「抽象化レイヤー」への需要が急増しています。オンチェーンVaultの預かり資産(AUM)は、2025年に約88億ドルに到達し、2026年にはさらに倍増する見込みが示されています。Vaultは、監査可能で標準化された運用手段として、DeFiの流動性へ接続するための重要なゲートウェイとなりつつあります。
Secured Financeは、このような潮流を踏まえ、オンチェーン上で金利(利回り)へのアクセスを“運用の箱”として抽象化し、ルールベースで提供することが、金融の民主化に貢献すると考えています。
SF Yield Vault / Secured Finance Vaultsの仕組み
Secured Finance Vaultsは、ステーブルコインごとに設計されたVaultを一覧化し、ユーザーがトークンを預けるだけで、Strategyがルールベースで実行される仕組みを提供します。
ユーザーがVaultに預け入れると、Vaultの持分を表すトークン(例:yvJPYC)を受け取ります。Strategyの実行成果は、yvトークン1枚あたりの価値(Price Per Share)として反映され、引き出し時の受取額は保有するyvトークン数量とPrice Per Shareに基づいて決定されます。yvJPYCはVaultの持分を表すトークンであり、オンチェーン上で保有・移転が可能です。将来的には、DeFi上での活用(例:担保としての利用や他プロトコルとの連携)も視野に入れています。
実装の概要は以下の通りです。
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Yearn V3を活用し、Vaultに組み込まれたStrategy(スマートコントラクト)によってVault内資産の運用方針が自動実行されます。
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MorphoやAave等の「単一用途のレンディング接続」や「キュレーション」に留まらず、Strategyを自由に記述できるため、条件分岐を含む複雑なルールベース運用を、1つのVault(yvトークン)としてパッケージ化できます。
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出金需要や流動性状況に応じた流動性スリーブ比率の調整、また運用先の特性に応じたリスク管理ルールや実行頻度の最適化など、オンチェーン金利ストラクチャリングを実現します。
第1弾 Strategy:「Secured Finance JPYC Lender」
Secured Finance Vaults上で最初に公開されたVaultが「JPYC Vault」であり、同時に第1弾 Strategyとして「Secured Finance JPYC Lender」をローンチしました。この戦略では、Ethereum上のJPYCをJPYC Vaultへデポジットするだけで、Secured Financeの固定金利レンディングプロトコルを通じて自動的に貸し出しを行い、金利収益の獲得を目指します。
この戦略の特徴は以下の通りです。
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オーダーブック型固定金利市場の「注文・管理」の手間を省き、直感的でシンプルなUXを実現します。
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Vault持分トークン(yvJPYC)を受け取れるため、DeFi上での活用可能性が広がります。
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Strategyによる継続的な資金供給は、オーダーブックの流動性を支え、取引が成立しやすい環境づくりにも貢献します。
代表コメント
Secured Finance AG Founder & CEOの菊池マサカズ氏は、「ステーブルコインで調達と運用が当たり前になる世界では、金利インフラが経済活動の基盤となります。Secured Finance Vaultsは、複雑なオンチェーン運用を、入金・出金というシンプルな体験に抽象化するVehicleです。伝統的金融で培った金利ストラクチャリングの経験を活かし、透明で検証可能な形で、より多くの人が金利へアクセスできる世界を作りたいと考えています。」とコメントしています。
今後の展開
Secured Financeは、技術、流動性、各要件(例:コンプライアンス上の要請)を踏まえ、今後段階的に以下の拡張を進める予定です。
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対応通貨の拡張: JPYCに加え、信託型を含む円建て/ドル建てステーブルコインなどへの対応を計画しています。
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マルチチェーン展開: Ethereumに加え、ユースケースに応じた複数ブロックチェーン上への展開を視野に入れています。
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Strategyの拡充: 金利ストラクチャリングの発想をオンチェーンルールとして実装します。
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円ステーブルコインで完結するUXを維持しつつ、戦略側でドル建て運用や為替ヘッジを組み合わせ、リスク管理をルール化します。
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ステーキング利回りへのアクセス簡易化(複雑な手順をVaultの入出金に抽象化)を実現します。
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市場中立型(デルタニュートラル)など、アドバンスな運用ルールを提供します。
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トークン化国債・MMFなどの安定資産を活用する戦略を展開します。
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トークン化株式・債券など、マルチアセットのポートフォリオ型の運用ルールを導入します。
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免責事項
本記事は技術的な情報提供を目的とするものであり、投資助言、勧誘、売買の申込みを意図するものではありません。利回りは変動し、元本が保証されるものではありません。スマートコントラクト、流動性、ネットワーク状況等により、出金に時間を要する場合があります。Secured Financeは分散型プロトコルであり、Secured Finance AGはソフトウェア開発会社として技術的な発表を行っています。


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