業種別動向:サービス業と運輸・通信業が過去最多水準
業種別に見ると、7業種中6業種で倒産件数が前年を上回りました。『サービス業』は220件(前年同月196件、12.2%増)で最も多く、『運輸・通信業』は48件(同29件、65.5%増)と大幅に増加しました。これら2業種はともに、2月としては2000年以降で最多の件数を記録しています。一方で、『製造業』は83件(同107件、22.4%減)と唯一減少し、6カ月ぶりに前年を下回る結果となりました。
詳細を見ると、『建設業』では内装工事やはつり・解体工事などの「職別工事」で大型倒産が複数発生し、前年を上回っています。『小売業』では「自動車・自転車小売」、特に中古自動車小売の増加が顕著です。『サービス業』ではフィットネスクラブなどの「娯楽」が大幅に増加しました。

倒産主因:不況型倒産が8割超を占める
倒産主因別では、「販売不振」が671件(前年同月633件、6.0%増)で、2カ月連続で前年を上回り、2月としては過去10年で最多となりました。この他、「不良債権の累積」などを含めた『不況型倒産』は678件(同642件、5.6%増)となり、全体の81.4%を占めています。これは2カ月連続で前年を上回る状況です。
「放漫経営」は18件(同11件、63.6%増)と3カ月連続で前年を上回りました。「経営者の病気、死亡」は29件(同17件、70.6%増)で、2月としては2000年以降で最多となりました。

倒産態様:清算型倒産が全体の95.7%
倒産態様別では、『清算型』倒産が818件(前年同月742件、10.2%増)となり、3カ月連続で前年を上回っています。特に「破産」は797件(同710件、12.3%増)で最も多く、全体の95.7%を占めました。構成比が95.0%を上回るのは2025年4月以来10カ月ぶりです。『再生型』倒産は15件(同26件、42.3%減)と、6カ月ぶりに前年を下回りました。

規模別・業歴別動向:小規模事業者と新興企業の増加が顕著
負債額規模別では、「5000万円未満」が537件(前年同月481件、11.6%増)と6カ月連続で前年を上回り、2月としては2012年に次ぐ過去2番目の多さです。資本金規模別では、『個人+1000万円未満』の倒産が608件(前年同月538件、13.0%増)で全体の73.0%を占め、2月としては件数、構成比ともに2000年以降で最多となりました。

業歴別では、業歴10年未満の『新興企業』の倒産が245件(前年同月241件、1.7%増)となり、5カ月ぶりに前年を上回りました。特に「3年未満」の企業が36件(同21件、71.4%増)と大幅に増加しています。

地域別動向:九州が大幅増
地域別では、9地域中6地域で前年を上回りました。『関東』は271件(前年同月256件、5.9%増)で2カ月ぶりに前年を上回り、2月としては過去10年で最多です。特に「東京」と「千葉」の増加が目立ちました。増減率では『九州』が103件(前年同月71件、45.1%増)で最も高く、2月としては2000年以降で最多を記録しています。特に「福岡」の倒産が2000年以降で最多となり、地域全体を押し上げました。

今後の見通し:飲食店の動向と原油価格に注目
2026年2月の全国企業倒産は833件となり、2月としては2013年以来13年ぶりに800件を超えました。2025年度の倒産件数は1万400件内外となり、2024年度(1万70件)に続き2年連続で1万件を超えることがほぼ確実な状況です。
飲食店の倒産は2025年に過去最多の900件を記録しましたが、2026年も1月が81件、2月が82件と推移しており、このままのペースでいけば2026年には1000件を超える見込みです。物価高対策として浮上している食料品に対する消費税率引き下げが、飲食店の対象外となる可能性があるため、客離れを招き、業績悪化や倒産に至る事業者が増加する可能性も指摘されています。
引き続き飲食店や建設業を中心とした小規模事業者の倒産が目立ち、負債「5000万円未満」の倒産が全体の64.5%を占めています。コロナ禍を乗り越えたものの、アフターコロナでの物価高や人手不足、ゼロゼロ融資の返済開始などが重なり、行き詰まる小規模事業者の倒産は今後も増加していくとみられます。
今後は、金利動向、日中関係、対米関税、消費税動向に加え、原油価格動向や為替動向が輸入業者をはじめとする中小事業者の業績にどう影響するかを注視する必要があります。
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