住宅ローン意識調査:購入検討者の9割が「払いきれるか不安」と回答、金利上昇懸念と変動金利選択の背景

投資

住宅ローン意識調査:購入検討者の9割が「払いきれるか不安」、金利上昇懸念と変動金利選択の背景

株式会社LIFULLが運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」は、住宅ローン利用者と購入検討者を対象に『住宅ローンに関する定期意識調査』を実施しました。この調査は、10年以内に住宅を購入し住宅ローンを利用中の765名と、5年以内に住宅を購入し住宅ローンを利用予定の1,097名を対象に行われました。

調査結果サマリー

住宅ローンの種類:購入検討者の「変動金利」選択が8pt増加

住宅ローンの種類について、購入者、購入検討者ともに「変動金利」が最多となりました。購入者の変動金利選択割合は64.1%で横ばいでしたが、購入検討者では前回調査(2025年7月)の56.0%から64.1%へと8pt増加しています。固定金利では「期間選択型」が微増しており、金利上昇への懸念が依然として強いものの、変動金利一択ではない状況がうかがえます。

住宅ローンの種類

住宅ローンの世帯年収倍率:購入検討者の過半数ラインは「4倍以上5倍未満」に

住宅ローンの世帯年収倍率について、購入者は「4倍以上5倍未満」が最多であるのに対し、購入検討者は「3倍以上4倍未満」が最多でした。購入検討者の過半数ラインは「4倍未満」では到達せず、「4倍以上5倍未満」となりました。これは物件価格の高騰を受け、借り入れ額の増額を事前に想定しているものと推察されます。

住宅ローンの世帯年収倍率

(購入者)世帯月収に占める住宅ローン返済額の割合:「3割以上」が増加

住宅購入者の世帯月収に占める住宅ローン返済額の割合は、「2割以上3割未満」(38.4%)が最多でした。しかし、「3割以上4割未満」の割合が前回調査の14.9%から15.7%に増加しており、月々の生活費が住宅ローンの返済で圧迫されている状況がうかがえます。

住宅購入者の世帯月収に占める住宅ローン返済額の割合

借入額に対する意識では、「適切だった」と回答した割合は増加しています。しかし、「3割以上」の返済額を抱える層の3人に1人(33.9%)が「もっと借入額を減らせばよかった」と後悔していることが示されました。

住宅購入者の借入額に対する意識

(購入検討者)住宅購入に対する意向:「金利が上がる前に買いたい」がトップ

購入検討者の住宅購入に対する意向では、「住宅ローン金利が上がる前に買いたい」が42.7%で単独トップとなりました。前回調査で同率だった「住宅ローン控除(減税率)が変わらないうちに買いたい」を上回り、控除内容よりも金利を重視する傾向が強まっています。「頭金が貯まるまで慎重に検討したい」も34.3%に増加し、希望に合う物件を探しながら頭金を貯める姿勢が見られます。

購入検討者の住宅購入に対する意向

今後1年間の住宅ローン金利の見通し:購入者の半数が「上昇」を予測

今後1年間の住宅ローン金利の見通しについて、「上昇」(「何かをきっかけに大きく上昇する」「ゆるやかに上昇する」計)と予測した割合は、購入者で53.2%、購入検討者で71.4%に達しました。特に購入者で上昇予測の割合が大きく増加しており、金利の動きへの高い関心がうかがえます。

今後1年間の住宅ローン金利の見通し

住宅ローンを払いきれるかの不安:購入検討者の94.2%が不安を抱く

住宅ローンを払いきれるかどうかの不安について、「不安を抱いている」(「大いに不安がある」「やや不安がある」計)と回答した購入検討者は94.2%に達し、過去最高を記録しました。購入者の不安割合が67.9%であることと比較すると、購入検討者との乖離が拡大しています。

住宅ローンを払いきれるかの不安について

金利の上昇対策:約6割が対策を実施。「新NISAやiDeCo」が最多

「固定金利(全期間固定型)」以外の住宅ローンを利用している購入者のうち、金利上昇に備えて何かしらの対策をしているのは64.2%でした。最も多かった対策は「新NISAやiDeCo」(38.5%)であり、前回調査から4.7pt増加しています。一方で、「特に対策はしていない」と回答した人も35.8%存在します。

住宅購入者が金利の上昇に備え、行っていること

対策を講じない理由としては、「特に理由はない/考えたことがない」(46.8%)が最多でした。次いで「対策をどう取るべきか判断がつかないから」(31.9%)が続き、対策の必要性は感じつつも、具体的な行動に移すための情報やリテラシーが不足している現状が浮き彫りになっています。

住宅購入者が金利の上昇対策を取っていない理由

(購入検討者)銀行の選び方:20代は「初期費用」「保障」、40代は「金利」「借入期間」を重視

購入検討者が住宅ローンを選ぶ際に魅力に感じるものについて、年代別の傾向が明らかになりました。20代では「初期費用の低さ」(44.1%)、「保障付き」(44.5%)、「ペア連生団信」(42.3%)への支持が集まっています。一方、40代では「金利の低さ」(56.4%)、「借入可能期間」(30.5%)が重視される傾向にあります。

購入検討者が住宅ローンを選ぶにあたり、魅力に感じるもの

LIFULL HOME’S総研 中山登志朗氏の考察

LIFULL HOME’S総研 副所長/チーフアナリストの中山登志朗氏は、今回の調査結果について考察しています。日銀が政策金利を0.75%に引き上げたにも関わらず、購入者・購入検討者ともに変動金利での借り入れが過半数を超え、購入検討者では8.1ポイントの大幅上昇を記録しました。これは、今後住宅ローン金利が上昇すると回答したユーザーが多いにもかかわらず、あえて変動金利を選択する意向が増えていることを示唆しています。

LIFULL HOME'S総研 副所長/チーフアナリスト 中山登志朗

その要因として、長期金利の上昇により35年固定金利が3%を超え、依然として1%前後で借り入れ可能な変動金利にユーザーの支持が集まっている状況があります。変動金利も緩やかに上昇していますが、住宅ローン金利の急激な上昇に対する不安は縮小しており、「金利は上がっても僅かだから返済は維持できる」と考えるユーザーが積極的に変動金利を選択していると分析しています。

また、金利上昇対策として、今回初めて「新NISAやiDeCo」が「何もしていない」を上回りました。これは、株価上昇と日経平均が5万円を超える状況になったことで、分散型投資信託への注目が高まったためと考えられます。住宅ローンの利用意向は、政策の影響を強く受けていることが明確です。

調査概要

  • 期間:2025年12月30日 ~ 2026年1月6日

  • 調査対象者

    • (購入者)10年以内に家を購入しており、住宅ローンを利用中の25~49歳

    • (購入検討者)5年以内に家を購入する予定があり、住宅ローンを利用予定の25~49歳

  • 調査方法:インターネット調査

  • 有効回答数:購入者765人、購入検討者1,097人

LIFULL HOME’S関連リンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました