Rust製高性能プロキシ基盤の全面更新とゼロダウンタイム運用
本アップデートでは、Rust製高性能プロキシ基盤を全面的に更新しました。接続初動、TLS処理、キャッシュ制御、HTTP/1.1・HTTP/2転送、長時間接続時の挙動、観測と切り分けのための計測といった、実運用で結果に影響しやすい基盤挙動を一体として更新しています。
これにより、通常時の快適さを維持しながら、ピーク時に発生しやすい揺らぎや連続稼働時の不安定化、切断や再接続が連鎖する局面においても、挙動が偏りにくい条件がネットワーク基盤側から整理されました。Solanaの実運用において、高速性と安定性の両立が継続しやすい環境へ更新されています。
加えて、ネットワーク設定変更および基盤アップグレードを、完全なゼロダウンタイムで適用できる運用構造へ移行しました。既存のERPC利用者は、追加の設定や作業なしで改善効果を享受できます。
アップグレードの背景
Solanaの実運用では、平均的な応答時間や通常時のレイテンシが重要である一方、負荷集中時や長時間接続時、切断・再接続時にはネットワーク基盤の挙動が結果を左右する場面が存在します。特に共有エンドポイントでは、短時間に集中するトランザクション送信とWebSocketやgRPCによる常時接続が同時に発生します。この条件下では、接続の初動、TLSハンドシェイク、転送処理、キャッシュの扱い、アイドル状態からの復帰といった基盤側の挙動が体験品質と実行結果に直接反映されます。
ERPCは、Solana向け通信を支える基盤として、Rust製高性能プロキシ基盤を自社で設計・運用し、全リージョンへ同一方式で適用する構造を維持しながら更新を重ねてきました。今回のアップグレードは、実運用で観測される課題を、接続初動から長時間稼働まで分断せずに捉え直し、ネットワーク基盤全体を再整理したものです。
利用者への変化
今回の更新により、ERPC利用者の環境では以下の変化が期待できます。
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接続初動の安定化: TLSを含む接続確立の段階で、条件不一致や不要な再試行が入りにくくなり、トランザクション送信やストリーム開始時の初動が安定します。
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ピーク時の挙動安定: 不要な接続の早期選別、HTTP/1.1・HTTP/2の転送とタイムアウトの整合、接続プールの健全性、キャッシュ競合時の振る舞いを同時に更新することで、負荷集中時でも挙動が偏りにくい条件が整えられています。
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接続継続性の向上: 長時間のWebSocketやgRPCストリーム、常時監視用途において、接続の継続性が向上します。切断、再接続、再同期が必要となる頻度とその影響が結果へ波及しにくくなります。
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キャッシュ制御と転送処理の改善: 混雑時に無駄な再取得や処理が増えにくくなり、帯域と処理余力を安定して利用できる状態が維持されます。
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障害発生時の原因切り分け時間短縮: 計測とメトリクスの拡張により、問題発生時の原因切り分けと復旧までの時間が短縮されやすくなります。
改善点の詳細
本アップデートは、Solanaの実運用で支配的になりやすい局面を、接続初動、TLS、L4とHTTPの境界、H1/H2転送、キャッシュ、観測、障害時挙動、継続運用の前提という粒度に分解し、それぞれを矛盾なく接続するための更新です。
接続初動およびTLS処理の改善
接続確立時に扱われるTLS文脈を拡張し、必要な状態を適切に保持・適用できる構造へ更新しました。これにより、接続初動における条件不一致や不要な再試行が入りにくくなっています。
不要な接続の早期選別による処理余力の確保
TCP接続を初期段階で選別できる仕組みを導入し、不正または不要な接続が正規トラフィックを圧迫しにくい構造へ更新しました。これにより、ピーク時における処理余力が確保されやすくなります。
L4とHTTPの境界整理による接続モデルの明確化
L4ストリームの扱いを抽象化し、接続モデルをより明確に取り扱える構造へ更新しました。これにより、接続が増え続ける局面やクライアント実装が多様な局面においても、基盤側が一貫した挙動を維持しやすくなります。
HTTP/1.1・HTTP/2転送および長時間稼働時の挙動改善
HTTP/1.1とHTTP/2を跨いで転送量を統一的に追跡できる計測を追加しました。また、HTTP/2におけるボディ書き込みのタイムアウト挙動を整理し、負荷集中や長時間ストリーミングの局面でも不自然な停止や詰まりが起きにくい調整を実施しています。
キャッシュ制御と運用品質の改善
キャッシュに格納しない理由を追跡できるようにし、キャッシュ挙動の説明可能性を高めました。ロック機構やstaleの扱い、再検証時の振る舞いが整理され、ピーク時に競合が発生した場合でも体験悪化が連鎖しにくい方向へ更新されています。
障害時の挙動、ログ、観測の改善
障害時の挙動とログを整理し、何が起きたかを把握しやすい条件が整えられました。下流側のエラーがキャッシュや転送へ連鎖して体験を悪化させるパターンが抑えられ、障害の影響範囲を局所化しやすくなっています。
継続運用の前提としての依存関係更新とセキュリティ修正
依存ライブラリの更新とセキュリティ修正を取り込み、プラットフォームとして長期運用を継続するための前提条件を維持しています。
ゼロダウンタイム運用への移行
今回の改善により、ネットワーク設定変更や基盤アップグレードを完全なゼロダウンタイムで適用できる構造へ移行しました。これにより、短い停止であっても発生する切断、再接続、再同期の連鎖を防ぎ、長時間稼働を前提とした運用を分断しない条件が作られます。
サービス別の影響
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Solana RPC(HTTP / WebSocket): 接続初動、TLS、キャッシュ、転送処理の改善が、データ取得およびトランザクション送信の双方に作用し、ピーク時でも処理余力を確保しやすい条件が整えられています。
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Geyser gRPC: 長時間のストリーミング利用において、接続の継続性が向上し、再接続や再同期のコストが結果へ波及しにくくなります。
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Shredstream(Direct Shreds): 連続配信を前提とした接続管理と初動改善により、混雑時でも欠損や遅延が発生しにくい配信条件が整えられています。
研究開発と実運用の接続
ERPCを含む分散システム基盤は、オランダ政府の研究開発支援制度WBSOにおいて研究開発プロジェクトとして認定されています。実運用で観測される課題を研究対象として取り込み、検証と反復を通じて改善を行う体制が確立されています。今回のネットワーク基盤更新も、この反復の一つとして全リージョンへ適用され、利用体験としての高速性と安定性に反映されています。運用と研究開発が分断されていないことは、単発の改善に留まらず、実運用で観測された課題を次の更新へ確実に接続し続けるための前提条件です。
利用者への案内
本アップデートは、既に全リージョンの全共有エンドポイントへ適用済みです。既存のERPC利用者は、追加の設定や運用変更を行う必要はありません。価格、仕様、認証方式、レート制限に変更はありません。
構成に関する質問、ユースケースに応じた最適化の相談、実運用でのフィードバックについては、Validators DAO公式Discordにて受け付けています。
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Validators DAO 公式 Discord: https://discord.gg/C7ZQSrCkYR
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ERPC 公式サイト: https://erpc.global/ja
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関連リンク: https://labo.elsoul.nl/ja/news/2026/02/07/erpc-solana-network-major-upgrade-202602/

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