「MONEX個人投資家サーベイ 2026年3月調査」が示す市場動向
マネックス証券は、2026年2月27日から3月3日にかけて、同社の口座保有者を対象にインターネットアンケートを実施し、1,846件の回答を得ました。この「MONEX個人投資家サーベイ 2026年3月調査」では、個人投資家の相場観やNISAの利用状況に加え、金利上昇局面における国内外債券への投資動向や現在の相場環境におけるリスク要因について深掘りしています。
本調査の主なハイライトは以下の通りです。
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金利上昇局面における投資動向: 国内債券を投資対象として検討する個人投資家は半数を超え、金利上昇局面で投資の選択肢が多様化しています。
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世界の株式市場の見通し: 日本株市場に対する見通しは横ばいである一方、中国株に対する期待は前回調査より大きく改善しました。相場環境におけるリスク要因としては「地政学リスク」が最も高いと認識されています。
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注目テーマ: 日経平均株価の高値予想では60,000円以上63,000円未満が最多で約半数を占めています。日米のセクター別業況DIでは「エネルギー」セクターが共に最多となり、直近で株高を牽引していた「情報技術」は大幅に低下しました。今後3か月の米ドル為替相場では、円安ドル高予想が4割を超えています。
金利上昇局面における国内外債券への投資動向
2025年末の日銀による政策金利引き上げ(0.5%から0.75%)を受け、金利と債券への投資状況が調査されました。金利上昇により投資行動に変化があった個人投資家は約3割です。

変化した投資行動としては、「高配当株への投資を増やした」が40.08%で最も多く、「債券への投資を増やした」が32.05%、「銀行・金融株への投資を増やした」が31.12%と続きます。

金利上昇局面では、高配当株や銀行・金融株、利回りが改善する債券などへの投資が増加する傾向にあります。この結果は、インフレや金利上昇を意識し、投資先の見直しを行う個人投資家が一定数存在することを示しています。
国内債券については、半数以上の個人投資家が投資対象として検討しています。「既に保有しており、検討対象として考慮している」が35.42%、「保有はしていないものの、検討対象としている」と合わせると半数を超えます。

一方、外国債券については、「保有もなく、検討対象として考慮していない」が52.96%と最も多い結果です。しかし、2023年の調査では米国債に投資した個人投資家が15.7%であったのに対し、今回の調査では「既に保有している」が約34%に増加しており、約3年間で2倍以上に増加しています。これは、個人投資家の投資対象として債券を組み入れる動きが広がり、ポートフォリオのリスク分散が進んでいる可能性を示唆しています。

外国債券を保有する個人投資家では、「外国債券型の投資信託を保有している(為替ヘッジなし)」が41.07%で最も多く、「外国債券を保有している」が39.69%と続きます。投資信託を通じた間接投資が比較的多いことがわかります。

2023年の米国債投資に関する調査結果は、以下のリンクから確認できます。
https://info.monex.co.jp/survey/survey/survey_202312.pdf
NISA口座の利用状況
2024年から始まった新しいNISA制度について、利用状況や投資金額が調査されました。
成長投資枠で保有している銘柄の保有方針では、「1~10年程度保有する方針」が39.09%で最も多く、「10年以上保有する方針」が36.36%と続きます。短期売却の意向は低く、NISA口座が長期保有による資産形成の手段として活用されていることがわかります。

つみたて投資枠の利用状況では、約7割が「積立金額の変更はしていない」と回答しましたが、「1万円以上増額した」という回答も2割以上を占めます。これは、つみたて投資枠の上限を考慮すると比較的大きな変更であり、投資金額を段階的に引き上げる動きが見られます。

積立投資金額を増額した理由の最多は「インフレ対策として投資金額を増やすため」で47.31%です。次いで「毎年増やすと決めているため」が20.49%と、物価上昇への備えと計画的な積立姿勢がうかがえます。

NISA口座を利用しない理由としては、「投資するタイミングを計っているから」が前回調査に続き最も多くなっています。一方で、前回多かった「どの銘柄に投資すればよいか分からないから」や「投資できる金額が少なすぎるから」といった回答は大きく減少しました。

日本、米国、中国の株式市場に対する見通し
今後3ヶ月程度の各国(日本、米国、中国)の株式市場に対する個人投資家の見通しが調査されました。
中国株のDIは大きく改善した一方、米国株DIは大きく低下しました。日本株DIは横ばいです。
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日本株DI: (2025年12月) 27 →(2026年3月)28(前回比 +1ポイント)
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米国株DI: (2025年12月) 29 →(2026年3月)-2(前回比 -31ポイント)
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中国株DI: (2025年12月)-62 →(2026年3月)-13(前回比 +49ポイント)

2026年の日経平均株価の高値予想では、「60,000円以上63,000円未満」が45.40%で最多です。「60,000円以上」という回答が全体の7割以上を占めており、日経平均の上昇に対する強い期待が見られます。


最も警戒しているリスク要因としては、「地政学リスク」が最多です。次いで「海外景気後退」が続きます。これは、2026年に入ってからの市場のボラティリティの高さや、中東情勢の緊迫化といった実際の市場環境を反映したリスク認識と言えます。

日米セクター別業況DI
日本と米国の各セクターについて、今後3ヶ月程度の業況DIが調査されました。
日本のセクター別業況DIでは、「エネルギー資源」が最高で64です。「小売」、「自動車・輸送機」は最低で8となりました。直近で株高を牽引していた「情報通信・サービスその他」のDIは26と、過去3回の調査で最も低い結果となり、セクターローテーションの動きが示唆されます。

米国のセクター別業況DIでは、「エネルギー」が53で最も高く、「不動産」はマイナス3で最も低い結果です。日本の同セクターと同様に、「情報技術」のDIも低下しています。また、金利動向の影響を受けやすい「金融」や「不動産」セクターもDIが低下しました。

為替相場について
今後3ヶ月程度の米ドル/円相場に対する個人投資家の見通しが調査されました。
「円安になると思う」が前回比+8%の42%と増加し、「円高になると思う」が前回比-13%の24%と減少しました。個人投資家の為替見通しは、円安方向への見方が優勢となっています。

これらの調査結果は、個人投資家が現在の市場環境、特に金利上昇とNISA制度を強く意識し、投資戦略を調整している実態を浮き彫りにしています。

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