StripeとTempoがAIエージェント決済の新標準「Machine Payments Protocol」を発表

投資

AIエージェント決済の課題とMPPの登場

エージェンティック コマースは、AIエージェントが消費者のために商品検索から購入までを完結させるオンラインショッピングの形態です。Stripeは既に、エージェンティック コマースのためのオープン標準であるAgentic Commerce Protocol (ACP)を公開しています。しかし、既存のインターネットシステムは人間向けに構築されており、アカウント作成、料金プランの比較、支払い情報入力といった多くのステップで人間の介入が必要です。これにより、AIエージェントが決済を行う上で困難が生じていました。

Machine Payments Protocol (MPP)は、この課題を解決するためにAIエージェント向けに開発されたオープン標準かつインターネットネイティブなプロトコルです。これはAI専用の財布と支払い手続きの共通ルールと位置付けられます。MPPにより、AIエージェントは少額決済や定期決済などの取引をプログラムのように自動的に実行することが可能になります。

MPPの仕組みとStripeでの導入

Stripeユーザーは、決済の開始から完了まで安全かつ一貫したフローを実現する決済処理APIであるPayment Intents APIを活用し、わずか数行のコードでMachine Payments Protocolを通じた決済を受け付けられます。これにより、人間を介さないAIエージェント同士の決済が実現します。

決済手段としては、Shared Payment Token (SPT)を介したステーブルコインに加え、カードや後払い (BNPL) による法定通貨も利用できます。

Machine Payments Protocolの利用フローは以下の通りです。

  • AIエージェントがAPIやModel Context Protocol (MCP)などのHTTPアドレスで指定可能なエンドポイントからサービスに対してリクエストを送信します。

  • サービスがリクエストに対して料金を請求します。

  • AIエージェントが請求を承認し、決済を実行します。

  • リクエストされたサービス内容がAIエージェント宛に届きます。

導入企業と広がる可能性

Stripeユーザーにとって、Machine Payments Protocolによる決済は、人間を介する他の取引と同様にStripe APIおよびStripe Dashboard上に表示されます。決済額は事業者の既存の残高に対し、既定の通貨で通常の入金スケジュールに従って振り込まれます。消費税の計算、送金、不正検知、レポート作成、会計システムとの相互運用、返金対応といった、人間を介する決済で利用している金融インフラをMPPによる決済でも利用可能です。

Machine Payments Protocolは既に、AIエージェント主導型のビジネスモデルの拡大を支援しています。例えば、ブラウザインフラを提供するBrowserbaseでは、AIエージェントによる複数のヘッドレスブラウザの立ち上げと、立ち上げごとの決済が可能になりました。PostalFormではAIエージェントによる手紙の印刷と郵送が実現し、ブルックリンにある精肉店Prospect Butcher Co.では、AIエージェントがサンドイッチを注文し、配送や店頭受け取りの手配を行うことが可能になっています。また、AIエージェントはプログラムを通じて気候変動対策イニシアチブStripe Climateにも貢献できるようになりました。

Parallel Web Systemsの創業者であるパラグ・アグラワル氏は、「Stripeの導入により、わずか数行のコードでマシンによる自律決済を実現し、ウェブアクセスのAPIコールごとにAIエージェントが自動的に決済を行えるようになりました」と述べています。

AIエージェント主導の経済の形成

AIエージェントは、今後構築対象であると同時に販売対象となる新しいカテゴリーです。Stripeは、Agentic Commerce SuiteAgentic Commerce Protocol (ACP)Model Context Protocol (MCP)x402などのプロトコル導入、そして今回のMachine Payments Protocolを通じて、AIエージェント向けの包括的な経済圏の構築を進めています。

Machine Payments Protocolに関する詳細はStripeのブログをご覧ください。

Stripeについて

Stripeは、プログラマブルな金融サービスを構築する企業です。世界中の何百万もの企業がStripeを利用し、オンラインおよび対面での決済、組込型金融、収益モデルのカスタマイズを推進しています。サンフランシスコとダブリンに本社を置き、世界のGDPの1.6%に相当する年間1.9兆ドル以上の決済を処理しています。AIとステーブルコインに焦点を当てた事業拡大と研究開発への投資を通じて、グローバル経済における最先端技術の普及に貢献しています。

詳細はhttps://stripe.com/jpで確認できます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました