「JPYSC」の概要と特徴
JPYSCは、SBIグループとStartale Groupの戦略的パートナーシップのもとで開発が進められている日本円建ての信託型ステーブルコインです。日本の金融規制に基づき、SBI新生銀行の子会社である新生信託銀行が「3号電子決済手段(信託型)」として発行を担います。裏付け資産は信託管理され、利用者の資産は高い安全水準で保全・管理される仕組みです。
JPYSCの主な特徴は以下の通りです。
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信頼性の高い信託型3号電子決済手段として、関連法令および金融規制に準拠した設計です。
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1号電子決済手段とは異なり、国内送金などに適用される1件あたり100万円の制限を受けません。これにより、企業間決済や機関投資家レベルの大規模取引にも対応可能です。
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既存の金融システムとブロックチェーン・ネットワークをシームレスに接続する設計により、グローバルな相互運用性を実現し、国際的に信頼される「デジタル円」の基盤を目指します。
SBI VCトレード株式会社が販売パートナーを務め、Startale Groupがコアパートナーとして技術面を主導しています。正式ローンチは2026年4月~6月を予定しています。
AIエージェント決済の将来性
ステーブルコインはデジタル空間で利用できる法定通貨の性質を持ち、様々な用途が期待されます。中でも、AIエージェントによる決済での広範な利用が推測されています。
デロイトが公開したレポート「The future of commerce in an agentic world」によると、AIエージェントによる商取引規模は2030年に17.5兆ドル(約2,700兆円、日本のGDPの約4倍)に達すると見込まれています。AIエージェントは、法人の経済活動を自律的に支える中核ツールへと進化しています。特に米国では、AIエージェント決済関連のスタートアップが台頭し、大手企業による新規事業開発も進んでおり、巨大な経済圏が形成されつつあります。
この経済圏の鍵は、AIエージェントによる自律的な決済です。人間を介さない商品・サービスの購入、AIによる投資活動、AIエージェント間での役務提供に伴うAPI決済などが具体例として挙げられます。決済行動がAIへとシフトすることで、対個人・対法人はもちろん、AIエージェント間の支払いが日常化する未来が予測されます。
Nonagon Capitalは、この「ブロックチェーン」と「AIエージェント」が交錯する「Agentic Payment(AIエージェント決済)」の領域が、次世代経済の中核になると確信しています。同社は2026年2月、本領域への投資と事業開発に注力することを発表しました。

ブロックチェーン技術がAIエージェント決済にもたらす可能性
AIエージェントでの決済には既存の決済サービスも対応を開始していますが、ブロックチェーン技術を基盤とした決済は、AIエージェントが自律的に経済活動を行う上で不可欠な要素を備えています。
ブロックチェーンはグローバルで利用可能なデータ基盤として機能します。DID(分散型ID)とVC(検証可能なクレデンシャル)を活用したエージェントの本人確認手続きであるKYA(Know Your Agent)を一度完了すれば、以降はサービスごとの本人確認や新規登録手続きが大幅に簡略化されます。Web3ウォレットと紐づいたAIエージェントは、KYAで発行されたVCを提示するだけで、多様なオンチェーンサービスを横断的に利用可能です。複数のプラットフォームを横断して価格比較や市場調査などをAIエージェントが行い、購買や投資を自律的に実行するには、こうしたシームレスなアクセスが前提となります。
さらに、少額かつ高頻度のマイクロペイメントにおいて、既存の決済手段では手数料や処理速度の制約から困難だった取引を、ブロックチェーンの低コストかつ即時性のある仕組みが可能にします。コンテンツやデータを必要な分だけ都度購入するといった、従来は採算の合わなかった取引形態が、AIエージェントの日常的な経済活動として成立します。
加えて、AIエージェントがスマートコントラクトを活用することで、条件に応じた支払い条件の設定や自動執行など、ステーブルコインなどを用いた決済方法を自律的に定義・実行できる可能性があります。ロボットによる役務提供への自動課金や、投資における条件付き注文の実行なども、この延長線上に位置づけられます。
これらの特性を踏まえ、ブロックチェーンを利用することで、AIエージェントを安心して活用できるユースケースが生まれると期待されます。本提携では、AIエージェントがJPYSCを利用するユースケースの創出を目指し、国内での実証実験を行うこともスコープに含まれています。
【個人向けユースケース】
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価格比較や市場調査を行った上で、ユーザーの代わりにAIエージェントがサービスや商品などのあらゆる購買活動を自律的に行う
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オンチェーン資産(セキュリティトークン、デジタル社債など)を対象に、AIエージェントが自律的に投資活動を実行する
【事業者向けユースケース】
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商業利用を前提にしたメディアコンテンツやデータを取得する際、AIエージェントがステーブルコインによるマイクロペイメントで費用を支払う
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市場調査の結果をもとに、新規事業の企画書や事業計画書を作成する
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専門性の高いAIエージェント同士がデータ交換や実際の役務提供に関する交渉を行い、人間の代わりにビジネスを自律的に進める
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AIエージェントを搭載した物理的なロボットが役務を提供し、支払いを受ける


今後について
本提携により、両社はそれぞれの強みを活かしながら、ステーブルコイン「JPYSC」のユースケース創出と普及に向け、以下の取り組みを実施する予定です。
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JPYSCを利用したエージェント決済に関する実証実験の実施
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国内企業向けのステーブルコイン活用ユースケース設計と提案
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バリデーター運用やDeFi運用の知見を活かした技術検証
詳細は都度、プレスリリースなどでお知らせされます。
Startale Groupについて
Startale Groupは、「世界をオンチェーン化することで、次の文明を創る」をミッションに掲げる、日本発のグローバルフィンテック企業です。SBIグループとの協業のもと、トークン化資産の常時取引を実現する基盤「Strium」の開発を進めるとともに、JPYSCおよびUSDSCを通じたオンチェーン金融インフラの構築に取り組んでいます。また、ソニーグループとブロックチェーン「Soneium」を共同開発しています。これらの取り組みを基盤として、資産管理、コミュニティ、オンチェーンアプリをシームレスにつなぐスーパーアプリ「Startale App」を展開しています。
公式サイト:https://startale.com/ja

合同会社Nonagon Capitalについて
Nonagon Capitalは、サンフランシスコ・ベイエリアに主な拠点を置く、ブロックチェーンのプロジェクトに投資を行うベンチャーファンドです。世界中の最前線のプレイヤーとのネットワークを持ち、北米とアジア市場、特に日本市場を繋ぐ役割を強みとしています。世界中のインフラストラクチャー、DeFi、DAO、エンターテイメント関連のプロジェクトのシード・ステージを中心に投資を行っています。「世界的にWeb3を普及させるプロジェクトを生み出す」ことをミッションに、バリデーター事業やエンタープライズ向けのコミュニティ事業「Nonagon Connect」なども推進しており、今後もブロックチェーン領域における投資活動と事業活動を積極的に行っていく方針です。
公式サイト:https://www.nonagon.xyz/
Nonagon Capital ご紹介資料:https://drive.google.com/drive/folders/1bGibM0iJEoaMjeNLc_RwNWd9xSJgdjy_?usp=sharing

株式会社ホットリンクについて
日米で事業を展開するホットリンクグループのコア企業です。SNSへの投稿など、生活者の声の投影であるソーシャル・ビッグデータを分析し、企業のマーケティング活動や報道、災害対策などでの活用支援を行っています。Web3においても、データ分析・活用力を活かしてインフラを担い、世界中の人々が“HOTTO(ほっと)”できる世界の実現を目指しています。
設立日:2000年6月26日
代表者:代表取締役グループCEO 檜野 安弘
本社所在地:東京都千代田区富士見一丁目3番11号 富士見デュープレックスビズ5階
事業内容:SNSマーケティング支援
URL:https://www.hottolink.co.jp/


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