暗号資産の確定申告、「税務の壁」に5割が税理士依頼 – 高年収層はリスク回避を重視

投資

暗号資産確定申告における税理士利用の実態

暗号資産の確定申告で税理士に依頼した経験がある層は合計で50.5%に達しています。毎年継続して依頼する層は17.7%に留まる一方で、スポットで専門家の支援を仰ぐスタイルも一定数存在することが明らかになりました。暗号資産の損益計算は年々複雑化しており、特に海外取引所やDeFi(分散型金融)の利用者は、自力での計算が困難なケースが多く見られます。

税理士への依頼経験

投資規模別に見ると、運用額が大きくなるほど税理士への依頼率が上昇する傾向があります。50万円以上の投資規模を持つ層では、毎年依頼と過去の依頼経験を合わせると7割を超え、資産額に比例して税務リスクへの意識が高まっていることが確認できます。一方、10万円未満の層では「依頼したことはない」が半数以上を占め、少額投資の場合は自力申告を選択するケースが多いようです。

投資スタイル別では、短期売買を頻繁に行う層や、長期と短期を併用するアクティブな保有者の依頼率が高い結果です。短期売買は年間の取引件数が膨大になりやすく、正確な損益計算が複雑化するため、手間を省く目的で税理士が選ばれている実態が浮き彫りになりました。NFTの売買やステーキング報酬など、取引の種類が多岐にわたる場合は、高度な税務判断が求められるため、専門家への依頼が検討されるクリティカルな分岐点となっています。

税理士依頼の主な理由:効率化とリスク回避

税理士への依頼を決定した主な理由としては、「時間や手間を減らしたかった」が60.4%で最多でした。暗号資産の損益計算は、取引所間の送金や多種多様な銘柄の売買が重なるほど、自力で正確に算出するためのコストが膨大になります。多くの保有者は、煩雑な事務作業を専門家へアウトソーシングすることで、投資判断などのコア業務に集中する「タイパ」(タイムパフォーマンス)重視の姿勢を示しています。

税理士に依頼した理由

次いで多かったのは「取引内容が複雑だと感じた」(49.4%)です。DeFiでのステーキングやNFTの二次流通など、現行税制での判断が難しい高度な取引を行う層にとって、計算の難易度が依頼の大きなトリガーとなっています。また、約4割が「税務リスクの回避」を挙げており、税務調査や過少申告加算税といったペナルティに対する防衛策として、税理士の署名が持つ信頼性が評価されています。

世帯年収別に依頼理由を分析すると、年収が高くなるほど「税務リスクを避けたい」という回答が増加し、1,000万円以上の層では約58%に達しました。高所得者層は申告漏れが指摘された際の社会的・経済的ダメージが大きいため、盤石な体制で確定申告を終えたいという強い動機が見られます。

年代別では、20代以下の若年層において「周囲や情報で勧められた」(43.8%)という回答が、他の年代よりも圧倒的に高い数値を示しました。SNSや仮想通貨専門メディアに日常的に触れる若年層は、インフルエンサーやWeb上の情報から「損益計算の重要性」や「税理士へ依頼するメリット」を吸収しやすい環境にあると言えるでしょう。

税理士に依頼しない理由:コストとアクセス課題

税理士に依頼しなかった層の理由を調査したところ、「自分で対応できると思った」が31.1%で最も多い結果となりました。暗号資産専用の損益計算ツールが普及し、API連携などで比較的容易に計算を完結できる環境が整いつつあることが背景にあります。

税理士に依頼しなかった理由

一方で、28.5%が「費用が高い」と感じており、専門知識への対価と自身の投資利益のバランスをシビアに見極めている実態も浮き彫りになりました。特に注目すべきは、「依頼方法が分からない」(22.5%)や「どの税理士に頼めばよいか分からない」(16.6%)といった、リテラシー以前の「入口」で躓いている層の存在です。暗号資産に精通した税理士はまだ希少であり、ユーザー側が適切な相談先にアクセスできていないという構造的な課題が、非依頼層の要因として大きく関わっていると考えられます。

世帯年収400万円未満の層では「費用が高いと感じた」(34.4%)が最多となり、他の所得層を大きく上回りました。暗号資産の税理士報酬は、取引件数や複雑さによって変動するため、投資元本や年間利益が限定的な層にとっては大きな負担感となっています。

性別で見ると、男性に比べて女性層は「依頼方法が分からなかった」(29.8%)という回答が約10ポイント高い数値を示しました。これは、暗号資産税務という専門性の高い分野において、初心者や特定の層に向けた「最初の一歩」を解説する情報が不足していることの現れかもしれません。

まとめ

本調査は、暗号資産投資における確定申告において、多くの投資家が税理士の専門知識を求めている現状を浮き彫りにしました。特に高額投資家や高所得者は、税務リスク回避と効率化を重視し、専門家への依頼を積極的に検討しています。一方で、費用や依頼方法の不明点が、一部の投資家にとっての障壁となっていることも明らかになりました。

調査結果の完全版は以下から確認できます。
Clabo|暗号資産の確定申告における税理士の利用実態に関する意識調査

暗号資産投資に関する免責事項

本レポートは情報提供を目的としており、いかなる投資勧誘や助言を構成するものではありません。暗号資産投資には高いリスクが存在し、投資判断は自己責任で行ってください。本レポートの内容の正確性、完全性、有用性について、いかなる保証も提供いたしません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の判断で行い、必要に応じて専門家の助言を求めてください。

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