暗号資産の利益実態:7割が経験するも、多くは少額
調査の結果、暗号資産取引において「毎年利益が出ている」と回答した層は23.13%、「利益が出た年と出なかった年がある」と回答した層は51.79%でした。これらを合わせると、回答者の約75%がこれまでに収益化を達成した経験を持つことが明らかになりました。

具体的な年間利益額の分布を見ると、「1万円未満」が25.08%と最も高く、これに「1万円以上〜5万円未満」(22.48%)と「5万円以上〜10万円未満」(22.15%)を加えると、全体の69.71%が10万円未満の利益レンジに留まっています。このことから、多くの個人保有者が巨額の利益を狙うよりも、少額からの堅実な運用を主軸としている現状が推察されます。

一方で、100万円以上の高額利益を達成している保有者は4.23%と限定的です。暗号資産市場は、投機的な場から資産形成の選択肢の一つへと、保有者の意識がシフトし始めていることを示唆する結果と言えるでしょう。
高年収層に集中する100万円超の利益
世帯年収と年間利益額の相関関係を分析すると、高所得層になるほど10万円を超える利益を獲得する割合が高まる傾向が見られます。特に年収600万円から800万円の層では、10万円以上の利益を上げている回答者が同層の利益経験者の約半数を占めます。これは、運用に回せる余剰資金の規模がリターンの絶対額に反映されるという投資の基本構造を裏付けるデータです。
100万円以上の最高収益レンジに注目すると、年収800万円以上の世帯から高頻度で出現しています。特に年収1000万円から1200万円の層では、回答者のうち約2割が100万円超の利益を達成しています。十分な投資元本を確保できれば、無理なレバレッジをかけずとも現物取引だけで大きなリターンを得られる可能性が高まることを示しています。
しかし、全所得層に共通して見られるのは、依然として「5万円未満」の少額利益が最も多いという事実です。年収1000万円を超える富裕層であっても、その多くは数万円規模の利益に留まっており、資産の大半を暗号資産に投じるようなリスク行動は抑制されていると分析できます。結果として、年収に応じた利益の拡大傾向は存在するものの、すべての層において慎重かつ健全な運用姿勢が維持されていることが明らかになりました。
40代・50代が収益化を牽引
世代別の利益実績を調査した結果、暗号資産の収益化において40代と50代が市場の牽引役となっている実態が確認されました。20代では100万円を超える利益を計上した回答者はゼロであり、収益の大半が10万円未満に集中しています。これに対し、40代では5名、50代では4名が100万円以上の利益を達成しており、年齢を重ねるにつれて獲得できる利益レンジが広がっていることが分かります。
30代についても、10万円以上の中規模な利益を上げている保有者が一定数見られますが、同時に「利益は出ていない」と回答する割合も若年層ほど高く、市場経験の浅さが結果に影響している可能性は否定できません。若年層はまずは少額から取引を開始し、相場の波に慣れるためのフェーズにいる保有者が多いと推察されます。
興味深いのは、70歳以上のシニア層でも100万円以上の利益を上げているケースが確認された点です。この世代は従来の金融資産運用で培った経験を暗号資産市場でも応用し、的確なエグジット戦略を構築している可能性があります。全体を俯瞰すると、年齢とともに資金力や経験値が蓄積されることで、より高額な利益を狙える投資判断力が養われている結果が示されました。
堅実な運用スタイルが安定した収益獲得の鍵

約半数が長期保有を選択
保有者の具体的な取引スタイルでは、「長期保有が中心」と回答した層が48.21%と最多でした。これは「短期売買が中心」(18.57%)の約2.6倍に相当する数値であり、暗号資産市場においても長期的な価値上昇を待つ戦略が主流であることが分かります。暗号資産は価格の激しい上下が特徴ですが、多くの保有者は目先の変動に翻弄されず、どっしりと構える姿勢を選択しています。
また、「短期売買と長期保有の両方」を使い分けるハイブリッド型の保有者も21.82%存在します。この層を含めると、全体の約7割が投資戦略のなかに「長期保有」を取り入れている計算となります。頻繁な売買によるストレスや手数料負担を避け、将来的な市場の拡大に期待を寄せる傾向は、暗号資産が成熟した投資対象へと変化している証左と言えるでしょう。
長期保有派の6割以上が利益を経験
取引スタイルと利益実績をクロス分析した結果、収益の安定性において長期保有派が非常に優れたパフォーマンスを示していることが判明しました。「長期保有が中心」の保有者148名のうち、「毎年利益が出ている」あるいは「利益が出た年がある」と回答した層は合計117名に達し、全体の約79%を占めています。短期的なボラティリティを無視して保有を続けることで、結果的にプラスのタイミングで決済できている実態がうかがえます。
「短期売買と長期保有の両方」を行う層においても、約88%が高い確率で利益を経験しており、極めて効率的な運用が行われていることが分かります。この層は「毎年利益が出ている」割合が約31%と、長期保有のみの層(約25%)よりも高く、相場環境に合わせた柔軟な立ち回りが奏功していると推察されます。
対照的に「取引頻度は高くない」と回答した層は、利益が出た経験を持つ割合が約31%に留まり、過半数が「これまで利益が出たことはない」と回答しています。休眠状態に近い運用では、利益確定のチャンスを逃してしまっている可能性が高いと考えられます。安定した収益を目指すのであれば、明確に「長期保有」を戦略に据えるか、あるいは市場の変化に一定の関心を持って対応する姿勢が重要であると言えます。
女性は8割以上が長期保有を軸に運用
性別による取引スタイルの違いを調査したところ、投資アプローチにおいて興味深い男女差が浮き彫りになりました。男性保有者は「長期保有」(約45%)を主軸としつつも、「短期売買」(約21%)や「使い分け」(約23%)にも積極的に挑戦する傾向が見られます。アクティブな取引を通じて利益を追求する層が一定数存在しており、市場の流動性に寄与している保有者像が見て取れます。
女性保有者においては、「長期保有」が約53%と過半数を占め、さらに「使い分け」を合わせると全体の約7割以上が長期的な視点を持っています。「短期売買が中心」と回答した女性は約13%に留まっており、リスクを最小限に抑えつつ堅実に資産を増やそうとする傾向が男性よりも顕著です。女性は家計管理や将来の備えとして暗号資産を捉えている側面が強く、より安全志向な運用が選択されていると分析できます。
この差異は、情報収集のスタイルや投資に割く時間のリソースの違いも影響している可能性があります。男性は頻繁な価格チェックやテクニカル分析を楽しむ層が厚いのに対し、女性は生活のなかで無理なく続けられる「ほったらかし運用」を支持していることがデータから読み取れます。いずれの性別においても長期保有が最大勢力である点は共通していますが、男性の方がより多様な手法を組み合わせて市場にアプローチしていると言えるでしょう。
まとめ
今回の調査結果から、暗号資産市場は投機的な場から「資産形成」の選択肢の一つへと、保有者の意識がシフトしていることが明らかになりました。約75%の利用者が利益を経験している一方で、その多くは10万円未満の少額であり、リスクを抑えた堅実な運用が主流です。特に長期保有を戦略とする層は高い確率で収益を上げており、安定した利益獲得の鍵となっています。世帯年収や年代、性別によって利益額や運用スタイルに違いが見られるものの、全体としては慎重かつ健全な運用姿勢が維持されていると結論付けられます。
調査結果の完全版は以下のリンクから確認できます。
https://www.clabo-inc.co.jp/media/articles/crypto-investment-profit-range-survey
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