次世代CFO像「インパクトオフィサー白書」創刊プロジェクトを始動
株式会社UNERIは、公益財団法人Soilと連携し、次世代のCFO像を示す「インパクトオフィサー白書」の創刊プロジェクトを始動しました。本プロジェクトは、米日財団からの資金助成を受けて推進されます。

プロジェクト発足の背景:非財務価値を考慮した資本市場への転換
近年、資本市場では「インパクト」という概念が金融・経済の中心に浸透しています。GSG Impact JAPANの調査によると、2024年度の日本のインパクト投資残高は17兆3,016億円に達し、前年度比150%という急成長を遂げています。また、国内先進企業では、環境や社会への影響を財務諸表に金銭的価値として反映させる「インパクト加重会計(Impact-Weighted Accounts)」の導入が進んでおり、非財務価値の可視化と定量化が急速に発展しています。
このような市場の成長に伴い、未上場市場と上場市場をシームレスに接続する専門家の存在が不可欠となっています。インパクト投資による資金調達を行った新興企業や資産運用会社の現場では、IMM(Impact Measurement and Management)やToC(Theory of Change)の策定・運用が「重たいコスト」と認識され、課題を抱えるケースが散見されます。今後、インパクト経営を普及させるためには、ガバナンスを単なるコンプライアンス上のコストではなく、企業価値を向上させる「成長エンジン」や「新たなビジネス機会」、そして「ステークホルダーへの責任ある開示」として捉え直す視点が求められます。
本プロジェクトでは、インパクト投融資のフレームワークを経営に浸透させ、多様な経営資源を編集し、企業成長および企業価値向上へと昇華させる専門人材を「インパクトオフィサー」と定義します。米国をはじめとする世界各国では、すでにこの役割を担うプロフェッショナルが活動しており、多くの実践事例を生み出しています。本プロジェクトは、これらの実践知を分析し、日本の市場環境と商習慣に最適化された「日本版インパクトオフィサー」の創出に向けたヒントと実践的アプローチを探求します。
本プロジェクトの体制とUNERIの役割
本プロジェクトは、米日財団、公益財団法人Soil、株式会社UNERIの3社が連携して推進します。

株式会社UNERIの実績
2020年設立。社会課題解決型スタートアップの育成・投資を通じて、日本におけるスタートアップおよびインパクトエコシステム構築を推進しています。老舗企業、上場企業、海外財団、自治体など多様な組織との事業共創を実施。2024年には「インパクトオフィサーの学校」プログラムを開始し、2年間で約50名が参加しました。2025年には全投資先に「B Corp」取得を義務付けるVCを設立し、4社に投資を行っています。
公益財団法人Soilの実績
株式会社Speee創業者の久田哲史氏が2023年に設立。「儲からないが意義がある」非営利スタートアップの創業期支援に特化し、約70件・総額約2億円の助成を実施しています。東京大学やMUFGなどの機関と連携し、次世代の社会起業家を輩出するエコシステム形成を強力に牽引しています。
米日財団の実績
1980年に設立された独立系の民間財団です。日米二国間の連携強化や両国の協働による課題解決に向け、累計1億ドル以上の助成実績を誇ります。20年以上にわたり「日米リーダーシップ・プログラム」を主催し、両国の政策立案者や起業家など500名を超える強固なグローバル・ネットワークを構築しています。
2年間の実施内容
助成期間の中で、以下の項目が実施されます。
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各国の実例調査: アメリカを中心に、世界約6カ国の代表的な取り組みを調査します。
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国内調査: インパクトオフィサーに関する調査研究を実施します。
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白書発刊: 初版は2026年度内を想定しています。
プロジェクト主導者・関係者コメント
株式会社UNERI代表取締役CEO / UNERI Capital代表パートナー 河合将樹氏
「スタートアップ業界で多くの起業家・CxOと対話する中で、IMMが『重たいコスト』となり、理想と葛藤に苦しむ姿を何度も目の当たりにしてきました。しかし、非財務価値の追求は本来、企業価値を飛躍させる『成長エンジン』です。このパラダイムシフトを実現する鍵は、多様な経営資源と金融をシームレスに接続する専門人材『インパクトオフィサー』に他なりません。本プロジェクトを通じて、米日財団、Soilという強力なパートナーと共に『資金の受け手目線』からの実践知をまとめる取り組みを開始しました。未上場企業および上場企業におけるガバナンスの取り組みが攻めの武器となる成功体験を積み、道標となるよう尽力します。」
公益財団法人Soil 代表理事 久田哲史氏
「米日財団のご支援をいただき、UNERI社と『インパクトオフィサー』に関する調査・政策提言を始動できることを大変嬉しく思います。Soilでは『儲からないが意義がある』非営利スタートアップを支援する中で、市場拡大の一方でIMMにおける現場の管理や評価が形式的な負担となりがちな現状に強い課題意識を感じてきました。社会課題の解決を加速させるためには、その実装を担う『人』と『知見』を広げ、起業家がより本質的な活動に集中できる環境を構築することが不可欠であると考え、本プロジェクトを立案しました。委託先には、教育と投資の両面で豊かな実践知を持つUNERI社を選定しました。社会起業家に寄り添うエコシステムの構築を目指し、この意義ある歩みを共にします。」
米日財団 在日代表 岡部晴人氏
「米日財団では近年、日本と米国を中心に、ソーシャルインパクト分野における知見の形成と人材・組織間の交流を促進することが、健全なエコシステムの発展にとって重要であると考えており、さまざまな取り組みを進めてきました。本プロジェクトは、まさにそうした問題意識に応える意義深い試みであると感じています。『インパクトオフィサー』という概念は、法人格やセクターの違いを超えて、人や役割に焦点を当てながらインパクトを捉え直すための有効なレンズとなり得ます。実際にこの役割を担う人材は、スタートアップ、金融機関、財団、NPOなど多様な組織に分散して存在しており、その実践知をエコシステム全体として体系的に把握することは容易ではありません。UNERIのネットワークとSoilの経験を活かし、日本のみならずグローバルでも参照されるような白書が生まれることを期待しています。本プロジェクトが、インパクトを担う人材と実践の理解を深め、次世代のエコシステム形成に貢献することを楽しみにしています。」
運営組織 概要
株式会社UNERI
株式会社UNERIは、「起業家の尊厳を回復させ、全てのイノベーターが自分の道を歩める社会をつくる」というミッションのもと、2020年に設立されました。社会課題系スタートアップの人材育成・企業/行政連携・投資事業を展開しています。2025年4月には投資事業を開始し、UNERI Capitalというファンドを通じて投資を実施しています。
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Webサイト:
公益財団法人Soil
Soilは、非営利スタートアップに不足している創業期の資金を助成し、成長のための支援を行う財団です。「儲からないが意義がある」事業に取り組むチームを「非営利スタートアップ」として定義しています。これまで、複数の助成プログラムを通じて、社会課題解決を目指す65以上の団体・個人に総額2億円超の助成を行っています。今回実施する助成プログラムSoil 100は、これから創業するフェーズの方を対象に最大100万円を助成することで、非営利事業への挑戦のハードルを下げ、良質な社会起業の裾野を広げることを目的としています。
米日財団
米日財団(USJF)は、日米関係の強化と共通課題の解決を目的とする独立した民間助成財団です。1980年の設立以来、両国で1億ドル以上の助成を通じて多様な取り組みを支援してきました。現在は助成プログラムとともに、500名を超える両国のリーダーを結ぶネットワーク「日米リーダーシップ・プログラム(USJLP)」を運営しています。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社UNERI インパクトオフィサー白書プロジェクト事務局
Email:info@uneri.co.jp


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