日本の投資行動における新たな知見
近年、NISA制度の拡充やネット証券の普及により、日本国内では資産運用を始めやすい環境が整備されつつあります。しかし、金融資産を保有する世帯のうち、有価証券を保有する割合は依然として約3割にとどまり、投資を行う人は少数派です。
Lifetime IFA金融研究チーム(運営:ジャパンウェルスアドバイザーズ株式会社)は、投資を行う人と行わない人の違いに着目し、投資をしていない層(非投資層)が投資行動へ移行するために必要なアプローチについて、感性工学的観点から調査研究を実施しました。
研究方法と目的
本研究では、投資行動の差異が知識量や収入といった合理的な要因だけでは説明できないとし、「感性構造」(物事の意味づけや感じ方)の違いに焦点を当てています。投資層と非投資層の心理・認知構造の差異を分析し、非投資層が投資行動を起こすためにどのようなアプローチが必要かを明らかにすることを目的としました。
調査は2025年5月から7月にかけて、18歳から59歳の男女184名を対象にオンライン形式の質問紙法で実施されています。預金以外の金融商品を保有している者を「投資層」、それ以外を「非投資層」と分類しました。質問紙は、相場変動への感情・認知評価、お金や資産運用に関するイメージ、現在および将来の不安、資産運用に対する行動ハードル、周囲の資産運用状況(ロールモデルの有無)、お金の価値観・人生観といった領域で構成されています。

主な研究結果
研究結果から、以下の重要なポイントが示されました。
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投資をしない理由は「損が怖い」ではなく、「難しい・よく分からない」という未知への不安である。
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将来不安やお金の不安の強さには、投資層と非投資層で大きな差がない。将来不安は投資行動を起こす直接的な要因ではないとされています。
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投資行動の違いを生むのは「お金に対する価値観」である。
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投資開始のきっかけの約40%は「人」などの外的要因に起因する。
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アドバイザーの存在は資産運用の心理的ハードルを下げる可能性がある。
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非投資層の84%は資産運用をしたいと考えている。
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資産運用普及の鍵は、制度や商品そのものよりも心理的サポートにある。
研究結果の詳細は、以下の完全版レポートで確認できます。
研究結果完全版レポート
投資行動を促進するための要素
研究結果は、投資行動を促進するためには「自分にもできる」という自己効力感の形成が重要であると指摘しています。そのためには以下の要素が不可欠です。
- 正しい知識を得る機会の提供
- アドバイザー等による伴走支援
- 手続きや仕組みの簡素化
- ロールモデルの可視化
- 体験機会の提供

具体的には、アドバイザーが介在し、資産運用のハードルを下げて安心して行える環境を構築すること、身近なロールモデルを認識できる環境を整備すること(投資教育の機会増加やフィンフルエンサーの活用など)、そして正しい知識を得るためのセミナーや勉強会の開催が有効であると示唆されています。
研究協力・出典
本研究は、早稲田大学人間総合研究センターの菅原徹氏の協力・監修のもと実施されました。研究成果は「資産運用イメージ形成・行動ハードルの比較研究 -非投資層はなぜ投資行動に踏み出さないのか?-」として第21回日本感性工学学会春季大会で発表されています。
発表者であるLifetime IFA金融研究チームの吉田亜唯梨氏は、資産運用が人生の選択肢を増やし、将来の安心につながるものと述べ、非投資層が「動けない状態」にある可能性を指摘しています。アドバイザーの役割は、金融商品の提案だけでなく、不安や迷いに寄り添い、長期投資を続けるための伴走者となることであると強調しています。
Lifetime IFA金融研究チームについて
ジャパンウェルスアドバイザーズ株式会社Lifetime IFAは、国民のライフプランの多様化や資産形成の必要性の高まりを受け、金融リテラシー向上の重要性を認識しています。同社は、資産運用行動や金融教育のあり方に関する調査・研究を行う「Lifetime IFA金融研究チーム」を設立し、本研究もその活動の一環として実施しました。正しい情報やアドバイスを広めることを目指し活動しています。
ジャパンウェルスアドバイザーズ株式会社
商号:ジャパンウェルスアドバイザーズ株式会社
代表者:代表取締役 八代 幹雄
所在地:〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町1丁目4-10人形町センタービル9階
設立:2019年9月20日
事業内容:金融商品仲介業、生命保険の募集に関する業務、経営に関するコンサルティング、その他付帯関連事業
資本金:25百万円
URL:https://www.jw-advisers.co.jp/
本調査内容を記事等で引用する際は、以下の2つのリンクを掲載し、引用元を明記してください。


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