暗号資産の秘密鍵、8割が紛失に「ヒヤリ」:自己管理の実態と潜むリスクが明らかに

株式会社Claboは、暗号資産利用経験者303名を対象に「秘密鍵・シードフレーズの保管方法と紛失リスク」に関する実態調査を実施しました。この調査により、暗号資産の自己管理における深刻なリスクが浮き彫りになっています。資産を自身で管理する「自己管理派」が6割を超える一方で、その保管方法として「スマホのメモやスクリーンショット」が最多となり、利便性の裏で流出リスクを抱えている実態が判明しました。また、管理者の8割以上が紛失や第三者への露出といった「ヒヤリハット」を経験しており、多くの保有者が自身の管理体制に不安を抱えながら運用を続けている現状が示されています。
自己管理の現状:経験年数と年代による格差
自己管理派が6割超で主流
暗号資産運用において基本となる秘密鍵の自己管理について、調査対象者の62.05%が自身で保管していると回答しました。これは非中央集権的な資産運用の根幹を成す要素であり、過半数がその責任を自覚していることを示します。
一方で、約3割の保有者が自分では保管していない、または意識したことがないと回答しています。暗号資産交換業者の口座のみで運用している場合、秘密鍵を直接意識する機会は少ないかもしれません。しかし、ウォレットを用いた外部送金や分散型金融(DeFi)の利用が進む中で、この無意識な状態はリスクに直結します。さらに、「分からない」と回答した層も1割を超えており、管理権限の所在が曖昧なまま運用を続けている実態が見て取れます。

経験年数による管理意識の格差
投資経験年数と管理状況を掛け合わせると、経験を積むほど自己管理の割合が高まる傾向が顕著です。投資歴3年以上のベテラン層では、72.00%もの保有者が秘密鍵を自身で管理しています。長期運用の中で、取引所リスクへの備えや資産の分散管理という意識が自然と醸成されていると考えられます。
興味深いのは、経験半年以上から1年未満の層で自己管理率が70.73%に達している点です。これは近年のWeb3トレンドや、特定のウォレットアプリの普及により、初期段階から自己管理を前提として参入する層が増えているためと推測されます。昨今の相場環境において、より高度な運用を目指す保有者ほど、早い段階でウォレット操作を習得している可能性があります。
年代別データ:50代以上で「分からない」が急増
年代別のデータでは、30代の保有者による自己管理意識の高さが際立っています。30代の自己管理率は68.18%に達し、全年代の中で最も積極的に資産を自分でコントロールしようとする姿勢が見て取れます。デジタルへの適応力が高く、かつ責任を持って資産形成に取り組む世代であるからこその結果と言えるでしょう。
対照的に、50代の層では「分からない」という回答が約24.2%にまで急増している点は懸念されます。投資は行っているものの、自身の資産がどのような技術的背景で守られているのかを把握していない層が一定数存在します。こうした意識の乖離は、万が一の際の紛失トラブルや、フィッシング詐欺などの被害を招く温床になりかねません。
利便性とリスクが隣り合わせの保管実態
スマホ保存が最多の3割超
秘密鍵の具体的な保管方法を調査したところ、最も多かったのは「スマホのメモ・スクショ・写真」による保存で32.45%に達しました。暗号資産をモバイル端末で運用するユーザーにとって、情報のコピー&ペーストが容易なデジタル保存は非常に魅力的な選択肢です。しかし、スマホの紛失やウイルス感染、意図しないクラウド同期による流出リスクを考えると、この手軽さは大きな危うさを孕んでいます。

一方で、古典的かつ堅実な「紙に書いて保管」も27.13%と根強い支持を集めています。オフライン管理の代表格ではありますが、火災や水害による焼失・汚損のほか、単純な紛失という物理的な脆弱性を克服できていないのが課題です。また、19.15%が「金属プレート」を利用している点からは、一部の層が長期保有を見据え、極めて高い危機意識を持って運用に取り組んでいる様子もうかがえます。
物理的な保管場所:「自宅の決まった場所」が3割
物理的な保管場所に関するデータでは、32.98%が「自宅の決まった場所」に置いていることが判明しました。家族による誤廃棄や盗難に対する備えとしては不十分と言わざるを得ませんが、日常的にアクセスしやすい場所が選ばれる傾向にあります。自分以外の人間が容易に手に取れる環境は、意図しない資産の流出を招く要因となり得るため、適切な秘匿性の確保が求められます。

「金庫や鍵付きの引き出し」を活用している層は23.94%に留まり、厳重な物理セキュリティを導入している保有者はまだ一部です。さらに注目すべきは、12.77%が「持ち歩く場所」を選んでいるという事実です。外出先での紛失や強盗のリスクを考慮すると、常に身につける場所を保管先に選ぶことは、資産保護の観点からは極めて危険な判断と言えます。
高年収層ほど「自宅外」を併用
世帯年収と保管場所の相関を見ると、年収が高くなるにつれて管理方法が専門的かつ厳重になる傾向が鮮明です。特に世帯年収1,000万円以上の層では、3割以上の回答者が「金融機関の貸金庫など自宅以外」を利用しています。これは、暗号資産の評価額が大きくなるに従い、自宅内での管理に限界を感じ、コストを払ってでも外部の堅牢な設備を頼る実態を示しています。
対照的に、年収400万円未満の層では「持ち歩く場所」を選択する割合が相対的に高く、物理的な隔離に対する意識が低いことが浮き彫りとなりました。少額運用であれば紛失時のダメージは限定的かもしれませんが、管理の習慣は資産が増えてから急に変えられるものではありません。運用初期の段階から、資産の重要度に見合った保管場所を検討することが、将来的な致命的損失を防ぐための第一歩となるでしょう。
まとめ
株式会社Claboの調査は、暗号資産の自己管理において多くの保有者がリスクに直面している現状を明らかにしました。利便性を追求するあまり、秘密鍵の保管方法が不適切になり、紛失や流出の危険性が高まっている実態が浮き彫りになっています。特に、スマホでの保管や物理的な無防備さ、年代や年収による管理意識の格差は、今後の暗号資産市場の健全な発展において解決すべき課題です。
暗号資産投資には高いリスクが存在し、投資判断は自己責任で行う必要があります。本レポートは情報提供を目的としており、いかなる投資勧誘や助言を構成するものではありません。投資に関する最終的な判断は、自身の判断で行い、必要に応じて専門家の助言を求めることが推奨されます。
関連情報・相談窓口
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株式会社Claboについて
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所在地:〒106-0032 東京都港区六本木一丁目4番5号 アークヒルズサウスタワー16階
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代表取締役:上野 育真
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設立:2025年7月

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