2026年の景気見通し、「悪化局面」が4年ぶりに2割を下回る17.4%に改善

投資

2026年の景気見通しは改善傾向

2026年の景気見通しについて、「回復局面」と見込む企業は前年比3.3ポイント増の11.0%となり、2年ぶりに1割台まで改善しました。企業からは、「高市政権が、現在の調子で改革を進めていき、国民の多くが効果を実感できるようになれば、景気は回復していく」といった高市政権への期待の声が聞かれます。

2016年から2026年までの景気見通しを回復、踊り場、悪化、不明の4局面で示したグラフ。企業調査に基づき、踊り場局面が最も多く、2020-2021年に悪化局面が増加。2026年見通しでは踊り場が43.0%、悪化が17.4%となっている。

一方で、「踊り場局面」は43.0%と3年連続で4割を上回り、最も高い割合を占めています。「悪化局面」と見込む企業は17.4%と前年より6.5ポイント減少し、4年ぶりに2割を下回りました。しかし、「分からない」と回答した企業は28.6%と、トランプ関税や日中関係の動向など、依然として先行きに対する不透明感が強い状況が継続していることがうかがえます。

規模別に見ると、「回復局面」では大企業が11.5%、中小企業が10.9%、小規模企業が10.5%です。一方、「悪化局面」では大企業が12.8%、中小企業が18.2%、小規模企業が21.8%と、規模が小さい企業ほど景気見通しを厳しく捉えています。

業界別では、「回復局面」で金融が12.7%と最も高く、サービス(12.1%)、製造・小売(11.5%)が続きます。運輸・倉庫は9.0%で最も低い結果です。「悪化局面」では小売が23.3%と唯一2割台で最も高く、卸売(19.3%)、不動産(18.8%)が続きます。

企業規模別および業界別の景況感に関するアンケート結果を示す棒グラフです。景気の見通しを回復、踊り場、悪化、不明の4つの局面で割合別に示しています。

景気の懸念材料は「インフレ」がトップ

2026年の景気に悪影響を及ぼす懸念材料として、「物価上昇(インフレ)」が45.8%で最も高く、前年から14.3ポイント急上昇しました。次いで「人手不足」(44.5%)、「原油・素材価格(の上昇)」(35.9%)、「為替(円安)」(30.4%)が続きます。

企業が抱える経済リスクに関する2025年11月と2024年11月の調査結果。物価上昇(インフレ)が2025年最大の懸念事項で、人手不足や原油価格上昇など上位10項目とその変化が示されている。

2025年はコメの価格が大幅に上昇し家計負担が増加するなど、主に飲食料品関連の価格上昇が影響を及ぼしました。加えて、人手不足を背景とした名目賃金の上昇がサービスや商品の価格に転嫁され、インフレ基調が継続しています。円安の影響による輸入食料品や日用品の価格上昇も、全体的な物価高を加速させています。原油や素材価格は緩やかな低下傾向を示しているものの、高水準を維持しており、依然として物価高の要因です。

これらのコストプッシュ型インフレは2026年も継続すると見られており、企業の収益圧迫だけでなく、一般消費者へのさらなる負荷となる可能性があります。企業からは、「お客さまが以前よりも値上げに敏感に反応する、相対的に安いものに飛びつくなど購買余力の限界を感じることが多くなってきており、少しずつ財布のひもがかたくなっている印象がある」といった、一般消費者の節約志向の高まりを懸念する声が寄せられています。

その他、トランプ関税の影響による米中対立および日中関係の悪化による経済への影響、台湾問題を巡る日中関係の悪化、トランプ関税を発端とした米中の貿易戦争の再燃の可能性も懸念されています。

景気回復に必要な政策は「個人向け」に注目

景気回復に必要な政策として、「個人向け減税」が38.3%でトップとなりました。以下、「人手不足の解消」(37.0%)、「所得の増加」(36.6%)、「中小企業向け支援策の拡充」(36.0%)、「物価(インフレ)対策」(32.1%)、「個人消費の拡大策」(31.0%)が続きます。

2025年11月と2024年11月の政策優先度調査結果を示す表。個人減税、人手不足解消、所得増加、物価対策などが上位に挙げられており、各項目の支持率と順位が比較されている。

上位10項目中、「個人向け減税」「所得の増加」「個人消費の拡大策」はいずれも個人に対する対策です。これらの項目を少なくとも1つ選択している企業の割合は64.2%に上り、「個人向け」の対策に注目が集まっていることが明確です。企業からは、「物価高、最低賃金の見直しが続き、中小零細企業は苦しい状況が続いている。食料品など消費税減税に期待している」や、「賃上げを行っても、控除される所得税および社会保険料が増加して収入が増えた実感は少ない。その部分を是正しなければ個人消費の拡大にはつながらず、本当の景気回復には結び付かない」といった声が多数聞かれます。

物価上昇が続く中、企業努力による賃金上昇のみでは根本的な消費拡大にはつながりません。消費税の減税や年収の壁引き上げに加え、社会保険料の減額による可処分所得の増加で、個人消費の拡大を促すことが景気回復への喫緊の課題とされています。また、「人手不足の解消」や「中小企業向け支援策の拡充」といった企業向けの支援策も必要です。

まとめ

2026年の景気見通しは、「回復局面」が2年ぶりに1割台、「悪化局面」が4年ぶりに2割未満となりました。「踊り場局面」は4割台を維持し、「分からない」と回答した企業は約3割です。高市政権への期待感から見通しはわずかに明るくなったものの、トランプ関税や日中関係の動向など、依然として強い不透明感が継続しています。

懸念材料では、「物価上昇(インフレ)」が前年から急上昇しトップです。2025年は、価格転嫁や円安の進行が重なり、全体的な物価高を加速させました。特に飲食料品関連の価格上昇が家計に大きな負担を与えています。景気回復には、物価上昇を上回る可処分所得の増加が不可欠であり、消費税の減税や社会保険料の減額など、個人消費の拡大を促す政策が求められています。

詳細な調査結果は、帝国データバンクのウェブサイトで確認できます。
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20251222-2026econ-outlook/

コメント

タイトルとURLをコピーしました