国内初のトークン化預金DCJPYによるセキュリティトークン決済の実発行検証が始動
株式会社SBI証券、大和証券株式会社、株式会社SBI新生銀行、株式会社BOOSTRY、大阪デジタルエクスチェンジ株式会社(ODX)、株式会社ディーカレットDCPは、セキュリティトークン(ST)の二次流通市場発展に向け、新たな決済スキームの実現を目指し協業を開始しました。トークン化預金「DCJPY」を利用したSTのDVP決済(Delivery Versus Payment)の実証を進めます。
このプロジェクトの関係者は、2025年8月には検証用データを用いたSTとDCJPYのDVP決済検証を完了しており、STの二次流通時を想定したシステムイメージと業務フローの整理を概ね完了しています。今後は、STおよびDCJPYの実発行による検証に取り組む予定です。

プロジェクトの背景
2020年の国内初のデジタル債発行以降、国内のST市場は商品性の多様化と取扱金融機関の拡大により、2025年11月末には公募発行総額2,700億円規模まで成長しました。しかし、ブロックチェーン上でSTの受け渡しが即座に行われる一方で、資金決済は銀行振込で行われているため、決済リスク管理の強化と事務負担の軽減が課題として指摘されています。ST市場のさらなる拡大には、デジタル通貨を活用したDVP決済方式の標準化と早期実用化が不可欠です。
本プロジェクトでは、BOOSTRYとディーカレットDCPのシステム連携による新たな決済スキームを、SBI証券と大和証券間のST売買取引で実証します。これにより、決済リスクと事務負担を低減するDVP決済をSTの二次流通市場における決済方法の一つとして確立し、ST市場のさらなる拡大に貢献します。
プロジェクトの概要
実証スコープ
本プロジェクトの実証スコープは、STの二次流通時におけるDCJPYを利用したDVP決済です。BOOSTRYが開発を主導し、コンソーシアム事務局として運営・維持を行うブロックチェーン「ibet for Fin」をプラットフォームとして発行・管理されるSTと、ディーカレットDCPのプラットフォームを利用してSBI新生銀行が発行するDCJPYを実証過程で利用します。
実証スキーム図

- 売方証券会社はセキュリティトークン(ST)を仮移転します。
- STの決済情報を各システム間で連携します。
- 買方証券会社はDCJPYの発行を依頼し、発行額を預金口座から専用口座に振り替えます。
- 買方証券会社は、売方証券会社へのDCJPY移転(振込)指図を実施します。
- ディーカレットDCPは決済情報を照合します。
- DCJPY移転と同時にシステム連携によりST移転実行に署名し、STが本移転されます。
- 売方証券会社はDCJPYの償却を依頼し、発行額を専用口座から預金口座に振り替えます。
実証における参加者の役割

| 会社 | 参加者の位置づけ |
|---|---|
| 大和証券 | STの取得、売買 |
| SBI証券 | STの売買 |
| SBI新生銀行 | DCJPYの発行・償却 |
| BOOSTRY | ibet for Fin開発の主導、ST発行・管理システムの提供 |
| ディーカレットDCP | DCJPYネットワークの提供等 |
| ODX | 本実証にはオブザーバーとして参加 |
トークン化預金DCJPYについて
デジタル通貨は、分散型台帳技術を活用して記録・管理・移転される、通貨的特徴を持つ資産の総称です。これにより、決済にプログラマビリティを具備することが可能となり、証券決済のDVP化や証券事務フローにおける決済業務が効率化され、決済リスクの削減や事務負担の軽減が見込まれます。
本プロジェクトで決済手段として利用するDCJPYは、ディーカレットDCPがプラットフォームを提供する、銀行預金をトークン化したトークン化預金です。トークン化預金は、価値の安定性や会計処理方式など一般的な預金の性質を有しているため、ST決済における有力な選択肢です。本プロジェクトでは、SBI新生銀行がディーカレットDCPのプラットフォームを利用してDCJPYの発行・償却を行います。
現状の進捗
2025年8月には、本プロジェクト関係者が集まり、検証用データを用いたST社債とDCJPYのDVP決済の検証を実施しました。STの二次流通市場における証券決済の業務フローを関係者間で整理し、BOOSTRYが開発を主導する「ibet for Fin」のテスト環境で発行した検証用のST社債を、ディーカレットDCPのテスト環境で発行した検証用のDCJPYを用いて疑似的にDVP決済となるスキームを確認しました。これにより、実発行検証の参画企業を含むすべての証券決済関係者が、DVP決済に係るシステムイメージと業務フローを確認できています。今後は、STおよびDCJPYの実発行での実証に向けて、ibet for FinとディーカレットDCPの両プラットフォーム間のシステム連携および業務運用の検討を進めます。
今後の展望
本プロジェクトは、STの即時グロス決済を将来的に目指すための最初のステップと位置付けられています。本実証後、実証結果を広くSTの市場参加者へ周知し、今回検証する新しいDVP決済スキームを、ODXが運営するSTの二次流通市場「START」に参加する複数の証券会社およびSTプラットフォームとの間で利用できるよう、関係者間で実用化に向けた検討を進める予定です。この決済スキームをSTの二次流通市場における共通の決済基盤の一つとすることで、市場の効率性向上と決済リスク低減を実現し、より健全な市場の発展に貢献します。
参考情報
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セキュリティトークン(ST):ブロックチェーン技術で発行・管理されるデジタル化された有価証券です。
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DVP決済:Delivery Versus Paymentの略称です。証券の引渡しと代金の支払いを相互に条件付け、一方が行われない限り他方も行われないようにする決済方法です。
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ST市場の規模に関する情報:BOOSTRY
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ibet for Fin:STの発行と流通に特化したコンソーシアム型のブロックチェーンプラットフォームです。
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関連プレスリリース:ディーカレットDCP


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