ブロックチェーン推進協会が「税制部会」を新設、Web3エコシステムの税務課題解決へ

投資

税制部会新設の背景と目的

米国をはじめとする金融先進国では、ブロックチェーン技術の活用が暗号資産からステーブルコインやDeFi(分散型金融)といった決済・金融インフラ、デジタル資産へと拡大しています。日本国内においても、政府が「骨太方針2022」でWeb3の推進に言及し、金融庁も専門部署を設置するなど、体制強化が進められてきました。さらに、2023年6月にはステーブルコインの法的枠組みを整備した改正資金決済法が施行され、2026年4月には暗号資産が金融商品取引法へ移行することが閣議決定されるなど、社会実装を後押しする制度設計が加速しています。

しかし、企業がこれらのデジタル資産を事業で活用する際の税務処理については、具体的な指針が十分に整理されていません。これが企業の参入や社会実装を阻むボトルネックとなっており、従来の投資・保有を前提とした議論に加え、実際のビジネスや決済現場に即した実務的な税制の整理が強く求められています。

BCCCの税制部会は、こうした課題を解決し、実務上の障壁を洗い出すことで、社会実装を促進する税制の方向性を議論し、社会への提言を行うことを目的としています。

今後の活動とキックオフイベント

税制部会は、暗号資産、ステーブルコイン、DeFiなどのデジタル資産関連の税務ルールを明確化し、既存の金融システムとブロックチェーン技術が共存できる環境構築を推進します。国内外の最先端動向に基づいた政策提言を通じて、健全な業界発展を支え、日本が世界をリードするWeb3ハブとなるための基盤整備に取り組む方針です。

部会発足のキックオフイベントは、2026年9月15日(火)16時より都内某所にて開催されます。詳細については、BCCC公式サイトで近日中に公開される予定です。

税制部会(略称TWG:Tax Policy Working Group)の概要

  • 運営体制: 部会長に八木橋 泰仁氏(税理士法人ファシオ・コンサルティング代表・税理士)、副部会長に村上 裕一氏(村上裕一公認会計士事務所 所長)が就任しています。

  • 目的: ブロックチェーン技術の社会実装を支える先進的かつ実務的な税制基盤の構築を目指します。暗号資産、ステーブルコイン、DeFi等の実務上の税務課題を解決し、既存金融とWeb3エコシステムの架け橋となることで、日本発のデジタル経済の発展を促進します。

  • 活動内容:

    • 定期的な勉強会・分科会・ハンズオンイベントの開催

    • 参加企業・団体間での実務上の論点整理や社会実装に向けた事例共有

    • 海外の税制動向の把握および日本からの実務的・政策的発信

    • ステーブルコイン・DeFi等における損益認識、評価方法、取引データの管理および税務申告に関する実務論点の検討

    • 税務当局、関係省庁への制度改正・ガイドライン整備に向けた提言

部会長プロフィール

八木橋 泰仁氏

八木橋 泰仁(税理士法人ファシオ・コンサルティング代表・税理士)

税理士法人ファシオ・コンサルティング代表税理士、クリプトリンク株式会社ファウンダー、仮想通貨税務研究会主宰。大手金融機関を経て独立し、暗号資産税務の黎明期から情報発信と実務支援を継続しています。複雑化しやすい暗号資産取引の損益計算、確定申告、税務調査リスクへの備えまで、投資家目線と税務専門家の視点からサポートする一方、損益計算アプリの開発や業界団体における税制改正要望の作成にも関与するなど幅広く活動しています。講演実績は専門家や企業経営者向けを中心に延べ200回超、受講者2万人超に上り、著書・メディア実績も多数あります。

一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)について

BCCCは、ブロックチェーン技術の未来を確信する国内の有志メンバーが、情報交換や切磋琢磨を通じてブロックチェーンの普及啓発を行い、その適用領域を拡大し、技術の進化に寄与することを目的としています。世界のブロックチェーン団体とも連携し、その情報を国内で配信するほか、培われた技術と経験をブロックチェーン先進国として日本から世界へ発信しています。

今回新設される「税制部会」の他にも、金融部会、ID・トレーサビリティ部会、ステーブルコイン普及推進部会、DeFi部会などを運営し、幅広い領域におけるブロックチェーン技術の社会実装を目指しています。

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