主要17業界の「人的資本・業界地図」を公開 – 男性育休と女性管理職に鮮明な業界差

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Career Revealが主要17業界の人的資本データを公開

株式会社エフペリが運営する人的資本データ分析プラットフォーム「Career Reveal」は、東京証券取引所の主要企業群(Core30・Large70・Mid400 ※2025年10月改定前)を中心とした17業界について、人的資本指標の比較分析結果を公開しました。この調査は、男性育休取得率、女性管理職比率、平均年齢、平均勤続年数といった指標に基づき、業界ごとの特徴とばらつきを可視化しています。
主要17業界の人的資本データ比較分析

調査サマリー

本調査から以下の主要な傾向が明らかになっています。

  • 男性育休取得率は、銀行、電力・ガスといった金融・インフラ系業界で高水準です。

  • 女性管理職比率は、銀行、情報通信・サービス、小売などBtoC関連業界で相対的に高い傾向にあります。

  • 装置産業・重厚長大型の製造業では、女性管理職比率が一桁台にとどまる業界も存在します。

  • 平均年齢や平均勤続年数には、業界固有の雇用慣行の違いが反映されています。

男性育休取得率は金融・インフラ系で高水準

2025年期の男性育休取得率(業界平均)を見ると、金融・インフラ系業界で顕著な高水準が確認されています。
業界別 男性育休取得率
具体的には、銀行が97.4%、電力・ガスが91.6%、エネルギー資源が90.3%という結果です。これらの業界では、制度整備に加えて、業務の標準化や代替要員の確保といった組織運営上の仕組みが、育休取得を後押ししている可能性が示唆されます。一方で、商社・卸売、機械、自動車・輸送機といった業界では取得率にばらつきがあり、業務特性や人員配置の違いが影響していると分析されています。

女性管理職比率はBtoC関連業界で相対的に高い

女性管理職比率(業界平均)では、業界間で明確な差が確認されました。
業界別 女性管理職比率
銀行が20.6%、情報通信・サービスが18.0%、小売が18.0%と、BtoC関連業界で相対的に高い比率を示しています。これらの業界は女性顧客との接点が多く、人材の多様性が競争力に直結しやすい特性を持つため、管理職層での女性登用が進んでいると見られます。対照的に、鉄鋼・非鉄(3.4%)、自動車・輸送機(3.7%)、電力・ガス(4.3%)といった装置産業系の業界では一桁台にとどまっており、業界構造や職種構成、管理職層の滞留など、中長期的な課題が残されていることがデータから示唆されています。

平均年収には約370万円のレンジ差

平均年収(業界平均)においても、業界間で約370万円の明確なレンジ差が存在します。
業界別 平均年収
2025年時点では、エネルギー資源業界が平均約1,070万円、不動産業界が約1,060万円と高水準です。一方、小売業界は約700万円前後にとどまっています。同じ上場企業群であっても、事業モデルや付加価値構造の違いが賃金水準に反映されていることが明らかになっています。

平均勤続年数に見る「安定型」と「流動型」の業界差

平均勤続年数(業界平均)も、業界ごとに特徴的な傾向を示しています。
業界別 平均勤続年数
電力・ガス業界や鉄鋼・非鉄業界では平均15~17年程度と長く、長期雇用を前提とした人材構成がうかがえます。これに対し、情報通信・サービス業界では10年前後と比較的短く、人材の流動性が高い業界構造が反映されています。平均勤続年数は、短期的な施策で大きく変動する指標ではなく、業界の歴史や人材市場の成熟度を示す構造的な指標と言えるでしょう。

男性育休 × 女性管理職で見る人的資本の業界地図

男性育休取得率(横軸)と女性管理職比率(縦軸)を用いた業界散布図では、金融・インフラ系業界が相対的に右上に位置し、装置産業系の製造業が左下に位置する傾向が確認されました。
業界地図:男性育休取得率 × 女性管理職比率
この分布は、業界ごとの雇用慣行や業務特性、人材構成の違いを反映したものであり、各業界が置かれている前提条件の違いを可視化するものです。

人的資本経営の第一歩は「業界平均との差」の把握

「Career Reveal」は、人的資本指標を単純な企業間比較だけでなく、「自社が属する業界の中で、どの位置にあるのか」を把握することの重要性を強調しています。公開情報に基づく人的資本データを業界横断で整理・可視化することで、企業の人的資本経営、投資家の分析、就職・転職活動における情報収集を支援しています。

調査概要

  • 対象: 東京証券取引所 Core30・Large70・Mid400 構成企業(2025年10月改定前)

  • 業界分類: 17業界

  • 対象期間: 2025年(各社の最新開示情報)

  • データソース: 有価証券報告書、サステナビリティレポート等の公開情報

  • 主な指標: 男性育休取得率、女性管理職比率、平均年齢、平均勤続年数

    • ※指標ごとに開示企業ベースで集計

    • ※男性育休取得率は100%を上限として集計

関連リンク

Career Revealの詳細については、以下の公式サイトを参照してください。

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