金利上昇が企業に与える影響
日本銀行の政策金利引き上げに連動し、長期プライムレートは2025年1月10日の2.00%から2026年1月9日現在で2.75%へと、1年間で0.75%上昇しました。この金利上昇が自社の事業にどのような影響を与えるかという問いに対し、「マイナス影響の方が大きい」と回答した企業は44.3%に達し、前回調査(2024年4月)から6.6ポイントの上昇を記録しています。一方で、「どちらとも言えない(プラスとマイナス両方で相殺)」との回答は6.3ポイント低下し、26.9%となりました。金利上昇が進むにつれて、プラス影響よりもマイナス影響を強く感じる企業が増加している状況です。

業界別に見る金利上昇の影響
「マイナス影響の方が大きい」と回答した企業を業界別に見ると、「不動産」が前回比11.9ポイント増の59.6%で最も高い割合を示しました。住宅ローン金利の上昇や投資用不動産の利回り悪化による需要減退、市況冷え込みによる不動産価格下落圧力が懸念されます。次いで「製造」が50.9%(同8.3ポイント増)、「運輸・倉庫」が50.5%(同12.0ポイント増)と、ともに5割台を占めています。「その他」を除く全9業界で前回調査から上昇し、「運輸・倉庫」は最も大きな上昇幅を記録しました。
企業からは、「取引先への値上げ交渉は非常にタフで時間がかかるため、金利上昇によるコスト増加分を価格転嫁することは難しく、非常に厳しくなる」(港湾運送、静岡県)や「既存の借入れが変動金利であり、返済負担が増加する」(不動産管理、愛知県)といった、利益圧迫や財務状況悪化を懸念する声が多数聞かれます。一方で、「金利上昇による借入金利の上昇といった直接的な影響よりも、日米の金利差縮小による円安の解消に期待している」(発泡軟質樹脂品製造、千葉県)など、金利負担の増加よりも過度な円安の是正に期待する声も寄せられています。
今後の見通しと対応策
本調査結果は、「どちらとも言えない」企業の割合が低下し、その分だけ「マイナス影響の方が大きい」企業の割合が上昇したことを示しています。金融政策の正常化が進む中で、今後も金利の上昇が継続することが見込まれる現状において、この傾向はさらに顕著になる可能性が高いと分析されています。特に借入金の多い中小企業にとっては、支払利息の増加が利益を圧迫し、経営環境は一層厳しさを増すことが懸念されます。企業は、借入方法の見直しに加え、価格転嫁やコスト削減など、返済原資を確保するための対策を検討・実施することが求められます。


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