成約価格データの概要と前提条件
本記事で扱うデータは、東京都23区における「新築マンションの成約価格」ランキングです。これは販売価格ではなく、実際に売買が成立した価格のみを抽出したものです。各年の高額成約事例TOP3に焦点を当てており、「高く売り出された物件」ではなく「高く買われた物件」の動向を示しています。
詳細なデータは以下のリンクで確認できます。
成約価格10億円を超えた23区新築マンション!過去5年分の成約価格データから不動産市況の「今」を読み取く
東京23区新築マンション成約価格事例TOP3
2025年
| 成約価格 | エリア | 間取り(広さ) |
|---|---|---|
| 11億5,000万円 | 港区 | 2LDK(140.53㎡) |
| 10億4,000万円 | 渋谷区 | 2LDK(148.46㎡) |
| 7億円 | 渋谷区 | 2LDK(100.82㎡) |
2024年
| 成約価格 | エリア | 間取り(広さ) |
|---|---|---|
| 4億5,000万円 | 渋谷区 | 2LDK(97.16㎡) |
| 3億6,800万円 | 中央区 | 2LDK(105.32㎡) |
| 3億5,000万円 | 港区 | 1K(44.22㎡) |
2023年
| 成約価格 | エリア | 間取り(広さ) |
|---|---|---|
| 5億1,800万円 | 港区 | 3LDK(136.93㎡) |
| 3億1,500万円 | 港区 | 3LDK(90.41㎡) |
| 3億円 | 港区 | 3LDK(85.9㎡) |
2022年
| 成約価格 | エリア | 間取り(広さ) |
|---|---|---|
| 2億8,000万円 | 港区 | 3LDK(86.37㎡) |
| 2億7,000万円 | 港区 | 3LDK(112.21㎡) |
| 2億5,000万円 | 港区 | 2LDK(82.02㎡) |
2021年
| 成約価格 | エリア | 間取り(広さ) |
|---|---|---|
| 2億4,800万円 | 港区 | 3LDK(121.74㎡) |
| 2億2,500万円 | 港区 | 3LDK(114.93㎡) |
| 2億1,600万円 | 港区 | 2LDK(94.72㎡) |
年度別最高成約価格の推移と市場の二層化
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2025年:11億5,000万円(港区・2LDK・140.53㎡)
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2024年:4億5,000万円(渋谷区・2LDK・97.16㎡)
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2023年:5億1,800万円(港区・3LDK・136.93㎡)
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2022年:2億8,000万円(港区・3LDK・86.37㎡)
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2021年:2億4,800万円(港区・3LDK・121.74㎡)
2025年の新築マンション最高成約価格は港区の11億5,000万円であり、これは2024年の最高成約価格4億5,000万円の約2.56倍に相当します。また、2024年の「1K(44.22㎡)3億5,000万円」という成約事例も注目すべき点です。これらの特筆すべき価格上昇は、東京の新築マンション市況が実需と投資で完全に二層化したことを示唆しています。

2021年から2025年にかけての最高成約価格の推移は、新築マンション市場が単なる価格上昇では説明できない変化を遂げていることを明確にしています。市場が一枚岩であれば、平均価格と最高価格は概ね同じペースで上昇するはずです。しかし、実際の動きは以下の通りです。
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平均価格: 建築費・地価上昇に沿った連続的な上昇
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最高成約価格: 段差のある、非連続なジャンプ
この異なる動きは、実需向けの比較的緩やかな上昇要因と、投資向けの資産としての成立価格帯に起因するものです。新築市場が実需と投資(資産)に二層化している場合、流動性も同様に二層化します。
| マーケットの特性 | 詳細 |
|---|---|
| 資産(超富裕層)マーケットの流動性 | ●取引数は少ない(薄い) ●ただし買い手は明確に存在する ●価格よりも希少性・ブランド・立地で動く ●売却は「一般市場」ではなく限定市場(クローズド)になりやすい |
| 実需マーケットの流動性 | ●取引数が多い(厚い) ●価格への感度が高い ●金利・家計・景気の影響を受けやすい ●売却は「一般市場」で勝負できる |
このように、市場は2つのマーケットに完全に分化しています。そのため、資産市場の値動きを実需物件に同じ期待を乗せて解釈することは、市場を誤認する原因となるため注意が必要です。
まとめ
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2025年の最高成約価格は11億5,000万円で過去最高額を更新しました。
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東京23区の新築マンション市場は実需・投資で完全に二層化しました。
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投資層に10億円を超える価格帯が受け入れられたことが明らかになりました。
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最高成約価格が大幅に更新された際は、市場構造が変化した可能性が高いです。
2023年の上限が2億円台から5億円台へ、2025年の上限が4億円台から11億円台へと「上限が飛ぶ」現象は、商品企画、販売方法(クローズド化)、そして買い手層が変化していることを示唆します。この「上限が飛んだ年」は、市場構造が変わった可能性が高い年として認識することが重要です。
より詳細な情報やTOP10のデータについては、以下の記事を参照してください。
成約価格10億円を超えた23区新築マンション!過去5年分の成約価格データから不動産市況の「今」を読み取く

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