Stripe Atlasが示すスタートアップの最新動向:グローバル化、収益化加速、AIが牽引

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スタートアップの最新動向

2025年に設立された23,000社のスタートアップのデータを分析した結果、以下の3つの主要な動向が判明しました。

  1. グローバル化の加速: Stripe Atlasを利用した創業者の出身国が169ヶ国に拡大し、創業初期から複数の国で事業を展開するスタートアップが増加。越境取引が新たな標準となっています。
  2. 収益化までのスピード加速: 創業から収益化・顧客獲得までのスピードが大幅に加速。設立後6ヶ月以内の売上は過去最高水準に達しています。
  3. AI分野の企業が大幅に増加: 直近2年間でAI分野のスタートアップが急増しており、特にAIエージェントを開発する企業が増加傾向にあります。

これまで以上にグローバル化が加速

2025年にStripe Atlasを利用して設立されたスタートアップの創業者層は、出身国が過去最多の169ヶ国に達するなど、よりグローバル化が進みました。中央アフリカ共和国、コモロ、サンマリノ、バヌアツ出身者が初めてAtlasを利用した創業者ポートフォリオに加わっています。また、欧州域内における規制強化を受け、イギリス、フランス、ドイツをはじめとした欧州出身の創業者によるStripe Atlasを利用したスタートアップ設立数は48%増加しました。

米国外の Atlas 上の創業者在住先

リモートワークの普及により創業チームの分散化が進行し、Atlasを利用したスタートアップのうち創業者が2人以上いる企業では、24%が複数カ国にまたがるチームで構成されています。これは2017年と比較して79%の増加率です。これらのチームの約半数は対面で出会った後に別々の国へ移動し、残りの半数は主にプロジェクトを通じて最初からオンラインで出会っています。なお、2025年にAtlasで法人化した日本発のスタートアップのうち、複数国にまたがるチーム構成になっている企業は51%と、グローバル平均の約2倍に達しています。物理的な距離よりも最適なパートナーシップを重視する傾向が広がっていることがわかります。

これまでのスタートアップの海外展開は、自国でプロダクト・マーケット・フィット(PMF)を確立した後と考えられてきましたが、その前提は急速に崩れています。決済インフラやコンプライアンスツールなどの技術的な進化、クラウドインフラと翻訳APIが海外市場への参入障壁を低下させ、多くの企業は創業初期から越境ビジネスを展開しています。2017年から2024年の7年間、設立後6ヶ月以内に販売した国数が平均1ヶ国だったAtlasを利用したスタートアップは、2025年には2ヶ国に増加し、上位10%ではその数が15ヶ国に達しました。実際、AIを活用したアプリ開発ツールを提供するRorkは設立後1ヶ月以内で69ヶ国で展開し、台湾発の次世代クラウドPaaSソリューション企業Zeaburも46ヶ国の開発者が利用しています。

収益化までのスピードが加速

Atlasで設立される企業の収益化までのスピードもこれまでになく加速しています。2025年、設立から30日以内に初の顧客を獲得したAtlasスタートアップの割合は過去最高の20%に達し、2020年の8%から大きく伸長しました。収益化までの平均日数は38日から34日へと短縮し(前年比約11%減)、2020年以降最速となっています。この背景には、2025年1月より米国外からAtlasを利用するスタートアップが、雇用主識別番号(EIN)の発行を待たなくても法人化直後から決済を受け付けられるようになったことがあります。また、これらの企業はこれまで以上に早いペースで製品を販売しており、2025年には初期6ヶ月間の売上で平均して前年比39%増を記録しています。

収益化までのスピードもこれまでになく加速

設立から6ヶ月以内に売上10万ドル(約1,500万円)を達成した企業数は前年より56%増加しています。さらに、達成までの期間も平均して108日と、前年の121日から約11%短縮されました。半年での顧客獲得数も242人/社に増加しており(前年比50%)、事業の立ち上がりが一段と加速しています。

スタートアップの上位と下位の差が拡大する傾向も強まっています。設立後の6ヶ月間での売上平均は、下位10%が18%増にとどまる一方、上位10%では52%増となりました。上位企業の存在がスタートアップの成長率を牽引してきた点に変わりはないものの、2025年ではその傾向が一段と強く、平均して設立後6ヶ月以内で、2024年に設立された上位10%のスタートアップと同じスピードで成長しています。開発者向けツールの発展やグローバル決済、コンプライアンス管理、金融インフラの整備によって、収益化が数ヶ月ではなく数週間で実現できるようになっています。エチオピアを拠点とする電動モビリティスタートアップDodai Groupの代表取締役CEO佐々木裕馬氏は、Stripe Atlasが法人登記や銀行口座開設などの手続きをオンラインで簡潔に完了できる点を高く評価し、スピード感を持った事業立ち上げに貢献したと述べています。

AI分野の企業が大幅に増加

スタートアップは、創業者や投資家が注目している業界を示す指標でもあります。Atlasを利用するAIスタートアップの創業者の割合は、2023年の15%から2024年に33%、2025年には42%へと急増しており、LLCでも同様に5%から22%へ拡大しています。一方で、2025年の法人企業設立数が増加したものの(前年比28%)、プレシード段階における資金調達件数は前年とほぼ変わらず、早期段階における資金調達率が低下しています。実際にAtlasを利用したスタートアップのうち、3ヶ月以内に資金調達を行った企業はわずか2.2%にとどまりました。AIコーディング支援ツールやノーコード開発プラットフォーム、自動化マーケティングツールなどを含めたAIの発展により、スタートアップは少ない資本で事業展開を進められるようになっています。

AtlasのAIスタートアップでは、関心がAIエージェントへと移っています。AIエージェントを開発している企業の割合は2024年の27%から2025年には44%へと拡大しました。2023年は既存業務を支援するコパイロット型のAIが主流でしたが、現在は、人間の代わりとなって自律的に物事を実行するAIエージェントに注目が集まっています。AIの普及を背景に、スタートアップは「補助するだけのAI」ではなく「実行までしてくれるAI」に機会を見出しているのです。

AI エージェントがコパイロット型 AI や AI インフラより主流に

Stripe Atlasがステーブルコイン決済に対応

Stripe Atlasは、アプリケーション利用料(500ドル)および登録代理サービス(年間100ドルのサブスクリプション料金)の決済において、ステーブルコインの受け付けを開始しました。米国外のAtlasを利用する創業者にとって、カードよりも暗号資産の方が利用しやすい場合も多く、銀行側による決済拒否の回数や手続きの手間が少ない、即時に決済が完了するといった利点があります。ステーブルコイン決済は、よりシームレスなスタートアップの設立を可能にします。Stripeは今後もインターネットのGDP拡大を目指し、様々な事業の創設や拡大を支援していく方針です。

ストライプジャパン株式会社 代表取締役 ダニエル・へフェルナンは、海外展開を試みる日本発スタートアップが増加しているものの、現地の法規制や税制、言語・商習慣の違いなどにより設立に手間取るケースが多いと指摘します。Stripe Atlasはスタートアップの設立から収益化までを支援し、創業者がグローバルに挑戦できる環境を提供しており、今後も日本から世界へ羽ばたくスタートアップをサポートしていくと述べています。

より詳細な情報はStripe blogにて確認できます。

Stripeに関する詳細情報についてはStripe公式サイトをご覧ください。

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